生産現場の「ここが変だよ!」
第4回 目的不明な生産進捗管理ボード
白濱 匡晋
コンサルティング・サービス
TPM(Total Productive Maintenance)は、「全員参加の生産保全・全員参加の生産経営」を「現場・現物でつくり上げる」をコンセプトに、工場改善を8つの主要活動(8本柱)に分類し、中心となる自主保全活動についてわかりやすい7つのステップで進めていきます。1971年に提唱されて以来、数多くの工場に導入・展開されてきた(約3,000サイト)実績あるプログラムです。TPMの導入により、故障しない設備、不良が出ない設備、災害が出ない設備を実現させて、同時に作業改善や設備改善を継続的に実施していく体制と仕組みをつくり上げ、現場の人材育成にもつなげることができます。
ステップ1:初期清掃(清掃点検)
設備本体を中心とする ゴミ ・ ヨゴレの一斉排除と給油、増締めの実施および設備の不具合発見と復元
ステップ2:発生源・困難個所対策
ゴミ・ ヨゴレの発生源、飛散の防止や清掃・給油・増締め・点検の困難個所の改善による清掃・点検時間の短縮
ステップ3:自主保全仮基準の作成
短時間で清掃・給油・増締め・点検を確実に維持できる行動基準の作成(日常、定期に使用できる時間枠を示してやることが必要)
ステップ4:総点検
点検マニュアルによる点検技能教育と総点検実施による設備微欠陥摘出と復元
ステップ5:自主点検
能率よく確実に維持できる清掃給油点検基準、自主点検チェック ・ シートの作成 ・ 実施
ステップ6:標準化
各種の現場管理項目の標準化を行い維持管理の完全システム化の推進(現場の物流基準、データ記録の標準化、型治工具管理基準、工程品質保証基準 など)
ステップ7:自主管理の徹底
会社方針・目標の展開と改善定常化によるムダ排除・コストダウンの推進、保全記録の確実実施と解析による設備改善の推進
自主保全を円滑に推進していくためには、サークル活動の活性化が欠かせません。そのためには、やる気・やる腕・やる場の3つの条件を整えることが重要です
この3つの条件を整えるためのツールの代表的なものが、「活動板」「ミーティング」「ワンポイントレッスン」で、これらをまとめて『自主保全 三種の神器』と呼んでいます。
※TPMの商標、ロゴマークは、日本およびその他の国における公益社団法人日本プラントメンテナンス協会の登録商標または商標です。TPMコンサルティングは、株式会社日本能率協会コンサルティングの事業です。