物流のべからず集

商品構成の変化をあなどるべからず

 物流人件費が増減しても、それが妥当なのかどうかはわかりにくい。商品構成の変化と人件費の変化を結び付けて管理する。

ねらい:物流人件費の見える化
キーワード:人件費管理、物流ABC

予実管理でギャップが生じたときの対策

 物流作業の人件費は予算を立てて月次で予実管理をするというのが一般的です。しかし、予算と実績にギャップが生じた際に、それがある程度仕方のない状況だったのか、それとも何か現場に問題があって手を打たなければならない状況なのかの判断ができず、対策が後手に回るケースが多いものです。
 物流現場には大きいもの、小さいもの、重いもの、軽いものなどさまざまな荷扱いがあり、この構成が変わることで全体の作業人件費は大きく変化します。
 また、人件費の中の変動費部分、主には時給で支払っている残業代やパート・アルバイトの方々に支払っている部分の変動も大きく、作業に関わっている人数(頭数)を管理するだけでは不十分で、時間(工数)を見ていく必要があります。

GAP分析の例

 以下の図では、予実にギャップが出た際にその中身を2つに分けて把握するやり方(GAP分析の例)を示しています。
 GAP①は、仮に予算組みした際の生産性(たとえば、1ケース処理するのに必要と想定した工数)が維持できていたならば、コストはどの程度になっているはずか、という見方です。想定していた生産性と実際の取扱い物量を掛け算してコスト推定します。"想定していた生産性"には、荷扱いの異なるモノ・作業別に設定した生産性を使います。
 GAP㈪は、仮に予算組みした際の商品構成・物量が確保できていたとしたら、コストはどの程度になるはずか、という見方です。想定していた商品構成・物量に実際の生産性を掛け算してコスト推定します。この2つのギャップの足し引きが実際の結果となります。
 図の例は、予算組みした人件費100に対し実績が80だった場合です。「人件費を80に抑えた。素晴らしい!」と判断してはいけません。この例では商品構成の変化が有利に働き本来は40でできているべきですが、予算作成時に計画していた改善活動が進んでおらず、140になってしまっているということになります。たまたまのラッキー(商品構成・物量の変化)でコストが予算内に抑えられたということになります。

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(文責:田丸信幸 シニア・コンサルタント)