積載率だけにこだわるべからず
物流のべからず集
単価変更はコストダウンの最後の手段であり、最初に行ってはならない。まず仕事の構造や効率を見直し、向上させることが第一である。
ねらい:コストダウンの実現
キーワード:効率化、構造見直し
物流事業者や各社の物流部門は、毎年のコストダウンを要請されていると思います。コストダウンの方策として「協力会社に値下げを求める」のが常態化している企業も多いことでしょう。
しかし、協力会社への単なる単価変更・値下げ要請はもっとも危険なコストダウン方法であることを肝に銘じる必要があります。業務の効率・生産性を変えずに単価だけを変更するのは、要するに協力会社に一方的に負担を強いていることであり、業務品質の低下や最悪の場合は協力会社の離反を招いてしまいます。
コストダウンは荷主・協力会社が相互に協力し合って、初めて実現するということを理解しなければなりません。
大きく以下の3つのステップで考えます。
もっとも大きな視点です。拠点の位置・在庫の持ち方・情報の一元化の方法・管理組織の方法などの見直しを考えます。大きな効果が期待できますが、時間も投資もかかります。全社的なプロジェクトでないと実行は難しいでしょう。
収支・生産性などを上げる日常の改善活動です。同じ仕事をより少ない人数や台数で行う・品質を向上させる仕組みを導入する...などを行い、次のステップへ進める準備を整えます。
ステップ1、2ができて初めて単価変更の話が可能となります。効率向上を行った結果(もしくは結果予測)に基づいて、最適な価格を設定します。このときには、協力会社にもメリット(利益)が残るような価格設定を心がけましょう。たとえば「ケース当たり1円の改善が見込まれるならば、単価反映はその半分・0.5円にとどめる」などの方策が有効です。
(文責:広瀬卓也 チーフ・コンサルタント)
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