JMACが提唱する「次世代工場」の完成図

圧倒的QCEDレベルを実現するために

 図①は、JMACが考える「次世代工場に必要な3要素」であり、工場全体の能力を決定する3要素です。次世代工場とは、経営課題を改善し、圧倒的QCDE(品質・コスト・納期・環境)レベルの実現に向け革新し続けることができる工場であり、そのために先進テクノロジーを適用しながら「フィジカル・オペレーション・マネジメント」のそれぞれが、卓越したレベルで運用されている工場のことです。

 工場全体の理論的な能力は、そこで働く人たちと設備のスペック、その組み合わせで生じる相互干渉で決まります。これが『フィジカル』の部分です。次に、生産システムを維持、向上させ続ける機能を極限まで追求すること。これが『オペレーション』です。そして改善推進から日常管理に至るまでのマネジメントの進化、トップ、ミドル、現場の一貫性をもったKPIでのレポーティングなどが『マネジメント』です。これらの3つの要素を高いレベルで実現できている工場は、顧客ニーズに合致した品質の商品を量産することができ、高い製造技術力を備え、業界をリードすることが可能になります。新工場の建設、リニューアルにあたり、次世代工場を目指し、実現していくお手伝いを私たちプロダクションデザイン革新センターは行っています。
 日本国内でも大小あわせて毎年約1000件の工場が新規に建設されています。現在ある工場の多くは、高度経済成長期に建てられたものも多く、老朽化により建て直すケースも多くなっています。さらには、これまで海外に製造拠点を置く企業も多かったが、メイド・イン・ジャパンへのこだわりや、技術のコアセンターとして、国内にマザー工場を置くケースも増えています。いずれのケースでも、卓越した次世代工場にシフトしていくことは、これからのものづくりには欠かせなくなっています。

なぜ「次世代工場」に向かうべきなのか

 これから工場を新建設、あるいはリニューアルする場合、IoT導入は必ず検討項目のひとつに入ります。製造現場において、IoTの導入は多くの革新をもたらすことはいうまでもありません。目に見えないロスを見える化できたり、集められたデータは分析し、改善に活かすことができます。まさに「次世代工場」の理想的な姿です。そして、組織・階層のありたい姿を目指すこともできます。
 ものづくりの現場において、人材は不可欠です。図②を見てもわかるように、IoT化は人間の仕事がなくなるのではなく、役割が変わるのです。マネジメントのトップ層であれば長期ビジョンの作成に時間を割くことができ、現場では改善活動などに人的リソースを割くことができるようになります。今までは工場長が担当していたことも、部課長レベルで意思決定できるようになるケースもあります。こういった階層の役割の変化も、次世代工場を目指す理由のひとつです。

 もちろん、課題は企業により異なり、IoTは単に工場を自動化、デジタル化するということではありません。新しい工場には、会社らしさを重視することが重要です。新工場をつくるにあたり、私たちは事業戦略から見ていきますが、解決すべき重点課題は会社によって異なるのです。物流拠点はそもそもここでよいのか、サプライヤーと連携できないのか、リードタイム・コスト・品質・サービスなど、経営面の課題と工場建設を結び付けて考え、設計します。このように課題解決に紐づいた現場をつくることこそ、次世代工場へシフトする目的ともいえます。

ものづくりの現場に必要な32の問題解決

 今やIoT機器のベンダーは乱立し、ソリューションも多岐にわたっています。自社工場に何を導入すればいいのか、それこそ事業戦略や製造戦略と照らし合わせる必要があります。
 JMACは多くの製造現場を訪れ、これまでかなりの数の課題、問題点を見てきました。それらを整理し、仕組み化したものが『JMACスマートファクトリー・イメージセル』(図③)です。

 たとえばスピーディな新製品立ち上げの仕組みや、需給バランスを最適化させる仕組み、従業員のスキル差をカバーする仕組み、顧客の潜在ニーズを引き出す仕組みなど、製造現場の困りごとにこたえる最適な32の仕組みです。IoTを導入して何を実現したいか。このイメージセルの中から課題をピックアップし、具体的なIoTソリューションと結びつけることで効果的なデジタル化を実現します。
 次世代工場にIoTは大きく貢献しますが、何を実現するか、何を解決したいのか、イメージセルはそのための「重点化」に非常に役に立ちます。
 たとえば医薬品会社A社の事例。各製造拠点への生産配分の偏りがあり、負荷のばらつきに起因するロス(操業ロスや納期遅延など)が発生してました。そのため、各生産拠点の負荷状況を把握して最適生産地を選択し、サプライチェーン全体での平準化を図る目的で「いつ、どこで何をつくらせるか判断できる仕組み」(他、関連セルいくつか)を採用しました。これにより、製造と受注が適正配分されるように改善されました。

企画から稼動までIEをベースに支援

 JMACのプロダクションデザイン革新センターは、新工場建設、リニューアルや設計支援、統廃合診断、IoT導入支援、IoTを活用したビジョン作成なども手掛けていて、企画から工場完成後の稼動まで総合一貫型サポートを行っています。
 創業から77年、あらゆる業種の生産性改善を推進しており、効率的なレイアウト、工程、設備、管理システム設計、運営ノウハウに精通しています。また、新工場立ち上げに不可欠な事業戦略、物流・調達、IoTソリューションなどの専門部署とともに、より革新的な工場づくりを支援します。

 新工場建設プロジェクトの進め方を図④に示します。

 とくに重要なのは最初の「企画」の部分です。この部分は軸になるので、課題認識や採算計算などが重要です。しかし、現状からのアプローチではなく、『ありたい理想の姿』を作成した上で、制約条件を洗い出して理想からのアプローチを行います。どれだけ先のことまで目が届くか、どこに力点を置くか、という議論も企画の段階で行います。
 2番目の基本設計では、基本レイアウトを作成し、最適化を追求。詳細設計、工事管理のフェーズに入ると、ゼネコンが担当する部分が増えますが、立上げ、稼動が始まると稼動率向上や教育なども行い、目標の早期実現を目指します。
 事業戦略をもとに次世代工場、つまり自社にとっての最適化工場をデザインしていく。そのための最適なシナリオを選択していくのが、JMACのコンサルティングプロセスです。

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