産業界と共に未来を切り拓く 「伴走型」のコンサルティング
- JMAC EYES
6月に代表取締役社長に就任した大谷羊平。急速な社会変化の中で「産業界のために」という原点を掲げ直す。業界におけるJMACの存在感や未来への視点について語った。
株式会社日本能率協会コンサルティング
代表取締役社長
大谷 羊平(おおたに ようへい)
1993年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒。同年、日本能率協会コンサルティング(JMAC)に入社。大手・中堅を含め、多数の業種業界における経営課題解決コンサルティングを支援。収益改革やBPR、情報システム構築、リスク管理やガバナンス改革など幅広い分野を支援している。
新型コロナウイルス収束以降、コンサルティング業界全体が好調な中、JMACも順調に成長してまいりました。しかし各社がコンサルティング+αの付加価値を打ち出す中で、私たちも存在感を強めなければなりません。
JMACは創業以来、おもに産業界において現場のお客さまと伴走しながら、課題解決をしてきました。この「伴走型プロフェッショナル集団」であることは、私たちの大きな強みであり、お客さまとの信頼関係の構築はもちろん、優秀なコンサルタントを育てるスキームにもなっています。
また昨年、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が立案し、JMACが作成を受託した「スマートマニュファクチャリング構築ガイドライン(SMDG)」はJMACが有するノウハウをもとに作成されました。「ものづくりの現場を最適化する手法」のガイドラインとして、多くの企業に活用され始めています。
オペレーション支援に強い現場を知るJMAC
日本の産業界は労働力不足やDXなど、多くの課題に直面しています。自動化や省力化への転換だけでなく、今後は、経営者、労働者不足に伴う企業統合が増えていくでしょう。そしてそれらは加速していくと予測され、私たちはPMI(M&A後のプロセス)や制度・規程の統合など、広い領域での支援、提案を行っていかなければなりません。
また、AIやDX領域への取り組みは急務で、重要な支援テーマになってきています。生産現場のスマートファクトリー化はもっとも得意とするところですが、AIに関しては「最適な使い方」をフラットに設計・提案することが重要だと考えます。AIは人間以上にできる領域が増えています。今まで見つけられなかった課題をAIが拾い、人間以上に処理する。こうした技術の進化を顧客支援にどう活かすかが重要なのです。業務を単にAIに置き替えるだけではなく、人間がすべきことの「見極め」が必要になってきます。私たちはオフィスや工場など、さまざまな現場の支援を伴走し続けてきたからこそ、オペレーション実態を踏まえた提案が可能なのです。
JMACの影響力を広げ社会に貢献する
私たちは、産業を変えて社会を変えることもミッションのひとつだと考えます。たとえばA社からある課題を相談されたら、それは業界全体に同じような課題があるはず。それならば、個々の案件で「飛び地のお手伝い」をするのではなく、業界課題を解決するために、個社を超えて効率化する。共同物流などはそのひとつで、そのような取り組みも始めました。意図的に業界構造を変えることにも、JMACは力を発揮できます。最近は官公庁や農業の分野でも、業界全体を変える視点でプロジェクトを展開し始めています。
また、業種を超えたさまざまな連携にも取り組み、お客さまの、業界全体の課題解決のために、各方面の外部専門家とも手を携えてプロジェクトを進めています。JMACのノウハウとテクノロジーの掛け算で、これまで私たちだけでは難しかった範囲にも、JMACの影響力を広げていくことができると考えています。
100年続く企業であるために
JMACは2042年に創業100年を迎え、今年で83年になりますが、このような歴史をもつ日本のコンサルティング企業はほかにありません。ですから、私の役割は次の世代にしっかりとつなげること。日本初の100年続くコンサルティングファームを目指し、より発展させ、より優秀な人に引き継いでいかなければなりません。そして「産業界から社会を変える」という考え方に賛同してくださる方々に、もっとJMACを知っていただきたいと思っています。これは、お客さまだけでなく、コンサルタントを目指す方々にも同様です。われわれには、コンサルタントをプロフェッショナルへと育て上げる企業風土と環境があります。それはやはり、現場での伴走型支援のスタイルをとっているから。各コンサルタントが自分らしく価値を発揮しながら顧客課題と向き合い、お客さまの期待を超えて成果を残すことにつながります。これはお客さまの組織づくりにそのまま転換できるノウハウでもあります。そして、組織の規模が大きくないことのメリットとして、世の中でまだ取り組んでいない先進的な取り組みを、いち早く自社でも取り組み、お客さまへの提案にも取り入れていくことも可能です。
最後に、私の好きな言葉を紹介します。恩師から送られた言葉、高村光太郎の詩「道程」の中にある〈僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る〉。先駆的なお客さまからの気づきで、人がやっていないことにチャレンジすること。心の中でいつも意識しています。
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