第3回 「人が集まる・辞めない会社」は何が違うのか。見栄えに頼らない「組織の魅力」のつくり方
生産・ものづくり・品質

消費者の要求にともない、必要とされる部品の種類と量は大きく変化する。部品生産型の生産管理は、この変化に対応し、部品供給の社会的責任を果たすことが求められる。
小売段階で品不足気味になると、小売はいつもより多めに注文を出す。注文を受ける商社や販売会社は、商品を押さえるため、製品組立業者に小売からの注文量以上の注文を出す。そして実需の3〜5倍の注文が第一波として製品組立業者に殺到する。
次にこの大波は、部品生産者に殺到する。製品組立業者も部品を確保しようと、商社や販売会社の注文量に上乗せして発注する。この第一波の大波を上手く乗り切らないと、品不足の不安が次々に大波を襲来させ、ますます混乱することになる。
このように上流工程になるにつれてブレが大きくなる現象を"ブルウィップ効果"という。
自ら開発し製作した部品を製品組立業者に供給する部品生産者の生産管理は、組立業者の需要変動に対する在庫戦略と生産能力の弾力性確保が中心となる。
特定多数の組立業者から生産計画を集め、部品の品目別に需要量を計算する。しかし、まずそのとおりの量が出ることはない。なぜなら、組立業者は消費者の需要を予測して販売計画を立て、在庫をいくら持つかを決めて生産計画を決めるので、需要予測と実需の乖離次第で量は大きく変動するからである。
しかも、いったん品不足となれば、実需の3〜5倍の量が一時に要求される。この急激な量変化を、"生産計画にない"と断ることもできるが、相手から"供給する社会的責任がある"とねじ込まれるのは必至だ。この量変動に上手く対応することが、生産管理に期待される役割である。
そのためには、「戦略的に在庫を持つこと」「生産能力の弾力性を確保すること」の両面から対応することになる。変動のすべてを在庫で対応するのは危険である。残り半分は、生産能力を拡大させて対応すること。1直から2直へ、さらに3直に生産体制を機敏に変えられるように、日頃から組合や協力企業、素材供給業者との連携を図ることが大切である。
部品生産型生産管理の特徴
| 部品生産企業の分類 | 生産管理の取り組む課題、特徴 | |
| 部品生産企業全般の生産管理の課題、特徴 | 組立企業に対する部品供給の社会的責任 | |
| 部品のセット化、ユニット化、モジュール化 単品部品加工型から機能部品完成型へ |
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| 「独自設計・製作」汎用部品生産者 | 特定多数の組立業者の需要変動に対する 在庫戦略と生産能力の弾力性確保 |
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| 特定企業の 「専用部品生産」 の生産管理 |
見込み生産企業の 部品生産 |
発注先の工程の一部を担うかのような 生産体制(品質、納期、コストの安定) |
| 個別受注生産企業の 部品生産 |
・技術・技能水準に応じた仕事の引受 ・発注側も、技術・技能水準の正しい評価と 相応しい業者に類似作業の継続的発注 | |
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SX&パブリック事業本部
シニア・コンサルタント
生産、物流機能領域を中心に、サプライチェーンマネジメントの視点から、在庫適正化、生産管理システム導入、コストダウン等のコンサルティングを行う。また、製造業の人材育成にも積極的に取り組んでおり、自律的継続的改善ができる職場づくりなど、サステナブルなものづくりの在り方についての研究・実践を行っている。
共著に『物流改善ケーススタディ65——コストダウン、作業効率を徹底追求——』『続・物流改善ケーススタディ65——コストダウン、作業効率を徹底追求——』(いずれも日刊工業新聞社)、『図解 ビジネス実務辞典 生産管理』(JMAM)、『生産管理のべからず89』(JMAC)
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シンクロノス・イノベーションユニット
シニア・コンサルタント
生産管理およびSCMに関するコンサルティングを実施。クライアントの事業の特性を把握した上で、その会社に合ったサプライチェーンの目指す姿を描き、課題解決をしていく支援を行う。工場全体をリニューアルする新工場建設のプロジェクトや、農業分野領域でも活躍。
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dXコンサルティング事業本部
チーフ・コンサルタント
SCM改革、在庫適正化のテーマを得意としている。生産・物流現場における改善等、現場に根付いた活動を推進し、会社の収益改善と人材育成を両輪で進めて成果を出すことも注力してきた。生産管理システム構築時の課題整理から業務改革シナリオ策定、導入効果の高いシステム運用へ向けた支援も行っている。
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