第3回 「人が集まる・辞めない会社」は何が違うのか。見栄えに頼らない「組織の魅力」のつくり方
生産・ものづくり・品質

作業の小さな進み・遅れの積み重ねが会社全体の収益・キャッシュフローに直結するということを忘れず、効率的な作業実施をしていくことが大切である。
製造現場で毎日作業を行っている中では、作業の遅れが発生することも多々ある。その際に、「遅れた分は明日やればいいや」「まだ在庫があるから大丈夫」と遅れが常態化してしまうことはないだろうか。
現場にいる作業者にとっては、目の前の仕事をすることがすべてで、その作業が会社のお金にどう影響を与えているかは、なかなか理解しづらいのが実態だと思われる。
しかし、実際にはこの日々の作業の効率が、企業全体の収益やキャッシュフローに影響を与えているのである。
たとえば、ある製品を1日100個つくれるはずなのに、ある日は80個しかつくれなかったとする。会社としては、作業者を1日雇うのに同じ金額を払っている(つまり同じ費用をかけた)のに、売るものが少なくなってしまうため、結果的に企業の収益が悪化することになる。
さらには、製品をつくる時間がかかればかかるほど、仕掛り在庫としてお金が眠っている期間が長くなったり、顧客からの納期の短いオーダーに対応するために、より多くの製品在庫を持つことを求められたりする。こうなると、会社はより多くのお金を用意して操業する、つまりキャッシュフローの悪化を招くことになる。
このように、現場作業1つひとつの効率が会社全体の収益やキャッシュフローに影響を与えるのである。
では、どのようにしてお金に対する意識を高めていけばよいのか。もちろん、前述したような内容を現場の作業者にも周知し、教育していくことがまず第一である。
ただし、作業者に、よりリアリティを持ってお金のことを捉えてもらうためには、現場で起こるさまざまな効率の阻害要因をお金に換算して示すといった方法がある。
たとえば、不良品を1個つくってしまうといくら損をするのか、工場の設備トラブルが1時間続くとどれだけ損をするのかといった具合である。このような方法を用いて、現場にもお金に対する意識を根づかせていくことが大事である。
※本稿は書籍『生産管理のべからず89』(JMAC著)をWEB用に再編集したものです
![]()
SX&パブリック事業本部
シニア・コンサルタント
生産、物流機能領域を中心に、サプライチェーンマネジメントの視点から、在庫適正化、生産管理システム導入、コストダウン等のコンサルティングを行う。また、製造業の人材育成にも積極的に取り組んでおり、自律的継続的改善ができる職場づくりなど、サステナブルなものづくりの在り方についての研究・実践を行っている。
共著に『物流改善ケーススタディ65——コストダウン、作業効率を徹底追求——』『続・物流改善ケーススタディ65——コストダウン、作業効率を徹底追求——』(いずれも日刊工業新聞社)、『図解 ビジネス実務辞典 生産管理』(JMAM)、『生産管理のべからず89』(JMAC)
![]()
シンクロノス・イノベーションユニット
シニア・コンサルタント
生産管理およびSCMに関するコンサルティングを実施。クライアントの事業の特性を把握した上で、その会社に合ったサプライチェーンの目指す姿を描き、課題解決をしていく支援を行う。工場全体をリニューアルする新工場建設のプロジェクトや、農業分野領域でも活躍。
![]()
dXコンサルティング事業本部
チーフ・コンサルタント
SCM改革、在庫適正化のテーマを得意としている。生産・物流現場における改善等、現場に根付いた活動を推進し、会社の収益改善と人材育成を両輪で進めて成果を出すことも注力してきた。生産管理システム構築時の課題整理から業務改革シナリオ策定、導入効果の高いシステム運用へ向けた支援も行っている。
自立・自走できる組織へ
信頼と実績のJMACが、貴社の現状と課題をヒアリングし、解決策をご提案します。