【最終回】第10回 「製造業のサービス化」の展望と課題
「製造業のサービス化」で事業成長を目指す

前回、ミラノでのセミナーを通じて感じたことをお話ししました。ともに成熟社会を迎えた国における共通点や課題も見られました。今回は、国内の実態に目を向けてみたいと思います。
2016年は、JMAグループがCSを提唱して25周年の節目の年です。そこで私たちJMACのCS・マーケティング/セールス革新センターでは、「顧客接点戦略実態調査」を実施しました。そこから見える「製造業のサービス化」を取り巻く企業の現状について、今回はお話しします。
本調査は約100問で構成され、JMACとお取引がある企業を中心にアンケート形式で行いました。
調査は、以下のような内容について各社の実態を把握することを目的に実施しました。
なお、回答は151社からいただきました。
今回は調査結果の中で、本コラムに関わりのある部分を紹介します。
回答企業のうち「そう思う」「ややそう思う」を合わせると67%がコモディティ化が進んでいると感じていますが、75%は脱却、差別化が難しいとしています(グラフ1)。
回答企業のうち「そう思う」「ややそう思う」を合わせると製造業のサービス化を検討したことがある企業は68%、取り組んでいる企業は61%ですが、成果が出ているのは34%にとどまっています(グラフ2)。
回答企業のうち「そう思う」「ややそう思う」を合わせると60%企業はお客様の実態や課題を把握していますが、自社接点以外の把握は30%と少ない(グラフ3)。
回答企業のうち「そう思う」「ややそう思う」を合わせると顧客の気づいていない体験の広がりをサポートできている企業は30%、顧客の気づいていない満足・不満を掘り起こして体験価値を向上させている企業は26%です(グラフ4)。
今回の調査結果から次のようなことが読み取れます。
これまでの自社での取組みがどのようなものであったのか、今一度振り返る機会としていただければ幸いです。JMACは、今後のチャレンジ、あるいは再チャレンジに役立つ内容をこれからも提供していきます。
経営コンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント
1996年 JMAC入社。CS・マーケティング領域におけるコンサルティング活動に従事。主にCS経営推進、CRM、サービス競争力強化、サービス生産性向上、オペレーション・業務改善、顧客接点人材育成といったテーマで企業の変革を支援している。長年にわたるサービス業のコンサルティング経験を活かし、近年は製造業のサービス化について注力している。共著に『仮説検証型マーケティング(リックテレコム)』『サービス産業におけるサービス品質向上(日本科学技術連盟)』『お客様対応業務における品質管理(日本能率協会マネジメントセンター)』など。
自立・自走できる組織へ
信頼と実績のJMACが、貴社の現状と課題をヒアリングし、解決策をご提案します。