第19回 開発・技術マネジメント革新大会

2015年7月 9日

革新大会 全体レポート

 今年の「開発・技術マネジメント革新大会」は6月11日(木)に東京コンファレンスセンター・品川にて、
約250名のお客様をお迎えし、大盛況の内に幕を閉じることができました。


今年の大会は、「RD&Eイノベーションマネジメントの最前線」を基本テーマとして開催致しました。
参加者の方々からは、「非常に参考になった」「次回も是非参加したい」といった声が数多く聞かれました。
講演者と参加者、また参加者同士で、積極的な交流が図れた一日となりました。

基本テーマ

RD&Eイノベーションマネジメント最前線

 RD大会全体.jpgのサムネイル画像毎年6月に開催をしております開発・技術マネジメント革新

大会ですが、今年は「RD&Eイノベーションマネジメント最前

線」を基本テーマとし、グローバル市場で日本企業が勝ち

残る為のRD&Eマネジメントの最前線について、製品・技術

革新・技術戦略、開発基盤強化、組織・人材革新等の事例

を基に、ご参加の皆様とRD&Eマネジメントのあり方につい

て、相互に交流することを目的としました。

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※ 大会パンフレットはこちらから

基調講演

イノベーションを生む次世代産業生態系を見通す力
〜技術を活かすビジネスモデルと知財マネジメント〜
 特定非営利活動法人産学連携推進機構 理事長・一橋大学MBA客員教授 妹尾 堅一郎 氏

基調講演画像.jpg「イノベーションとは何か」「製造業のサービス化とはどういうことか」、という2つの問題提起を中心に、イノベーションを生む次世代産業生態系を見通す力についてご講演頂きました。

日本の科学技術力と産業競争力の変遷や数々のイノベーションの成功と失敗事例、「モノのサービス武装」と「サービスのモノ武装」が起きている産業生態系の実態など具体的な事例をご紹介頂きながら、グローバルにビジネスモデルと知財マネジメントの定石を学びそこから気づき定石を超えていくことが重要であるとの提言を頂きました。

日本企業が陥ってきたモノづくり神話に対して、「イノベーション」の適切な理解と次世代の産業生態系を見据えたビジネスモデル創新の必要性を感じさせられ、日本の製造業が生き残るためのあり方を考えさせられる大変刺激となるご講演でした。

会場に問いかけながら時にユーモアも交えながらの熱のこもったお話に、参加者の皆様も時間も忘れ聴き入っていました。


特別講演

"未来を創る"リコーの挑戦
 株式会社リコー 代表取締役 会長執行役員 近藤 史朗 氏

リコー画像.jpg技術者時代に自らイノベーションをリードされてきた経営者として、デジタル複合機の開発や経営改革の実践事例を踏まえながら、リコーの"未来を創る"取り組みについてご講演頂きました。

業界のチャレンジャーとして挑んだデジタル複合機の開発において、「集中」、「差別化」、「コストのリーダーシップ」の三つの基本戦略を信念を持って実行して世界的なヒットを生み出した事例や、経営者として挑み続けてきた顧客起点に基づく筋肉質な経営体質への変革などについて、大変興味深いお話をして頂きました。

最後に、未来を担うリーダーに対して、揺るがぬ信念を持ち、自ら状況を変革していってもらいたい、と期待を込めてお話をされました。

参加者の方々は熱心に聞き入っており、高い関心が伺えるご講演でした。


A-1 製品・技術革新・技術戦略セッション

魅力を共感できる開発テーマの創出を目指す~フジッコ開発塾~
 フジッコ株式会社 取締役 人事総務部長 山田 勝重 氏

フジッコ画像.jpgフジッコ様では、開発本部において、開発スピードと独自優位性を高める組織を実現するための取り組みが進められています。そのような中で、今回は更なる事業展開を見据えた研究開発テーマ探索活動"フジッコ開発塾"について発表頂きました。

研究者個人が興味を持ったことをまとめ、共有する"気付きシート"に始まり、それを発表し、仲間を募る"開発ネタ発表会"、共感した仲間とテーマ化を図る"テーマ化プロジェクト"に至る一連の流れに関して、テーマ創出、研究者の育成、成長といった側面からご講演いただき、質疑応答も活発に行われました。


A-2 製品・技術革新・技術戦略セッション

マーケットインで新事業立上げの死の谷を越える
 日軽パネルシステム株式会社 東京支店 支店長 前田 博司 氏

日軽パネルシステム画像.jpg本セッションでは、新規事業の立上げの際に陥る死の谷をマーケットインという考え方でどう乗り越えていくのかという事例をご紹介頂きました。

マーケットインとは:仮説を立てて足で稼ぎ、お客様と一緒になって考えること、

このマーケットインという方針を元に3つの課題

1.お客様の本当の声が聞こえない

2.法規制への対応(遵法対応)

3.社内の体制

に対して、実例を交えた事例紹介がありました。

また、質疑応答では「プロジェクトリーダとして辛いときにどうモチベーションを上げるか」や「現業がありながらどう時間を作るか」などの実践的な質疑が行われました。


B-1 開発基盤強化セッション

高信頼製品を短期間で開発できる品質工学の方法論~技術体質を変えなければ、生き残れない~
 のっぽ技研代表 元(株)リコー技術開発センター 所長・技師長 長谷部 光雄 氏

のっぽ技研画像.jpg高品質製品の短期開発には見えない品質の作り込みと、それを考えられる技術者の育成が重要であるということを事例を交えて講演頂きました。

管理できない「見えない品質」を開発初期段階で見極めることが、フロントローディング型開発の本来の姿である。また、「数と時間の壁」がある中で、如何に合理的に機能性を測るか? これが、安定性と余裕度のある設計を実現するポイントであり、設計品質向上の本質である。

試作レス・試験レス・検査レスの制約の下で、安易な道を閉ざし、創意工夫させる機会を与えることが、より良い仮説を考える思考力を磨き、更に技術体質革新につながることを、重要なマネジメントポイントとして気づかせて頂いた講演でした。


B-2 開発基盤強化セッション

カルソニックカンセイ生技センターにおけるマネジメント改革
 カルソニックカンセイ株式会社 熱交事業本部熱交生産技術グループ 部長 佐藤 彰洋 氏

カルソニックカンセイ画像.jpg目先の日常業務に追われたことによる「処理型業務スタイル」。実務に追われることによる「マネージャーの大担当化」という技術部門でよく聞かれる課題に対しての改革を事例を交えて講演して頂きました。

業務スタイルを「処理型」から目的・目標の達成を重視する「課題解決型」へ、改業務スタイルを「処理型」から目的・目標の達成を重視する「課題解決型」へ改革していくには「正しく現状を把握し、気づきを得る」「解決ストーリーを明確にする」という基本を押さえる事に加え、改革課題の狙いを明確化し、上位方針とリンクした改革をどこまで個々のプロジェクトに織り込むかを検討する「正しい目標設定」が重要なポイントとして語られていました。

また、「真のマネージャー」への改革には宣言と実践によって、改革を自ら先導していく事に加え、「対話をあきらめずにやり続ける」「マネージャー同士が困り事を相談できる場を設ける」という、改革を粘り強く進めていくためのポイントも事例を交えて語って頂きました。

日々の業務に追われがちな技術部門にありがちな状況を打破するための糸口となる大変貴重なお話でした。


C-1 組織・人材革新セッション

知の革新~融合と進化~
 シスメックス株式会社 中央研究所 所長 吉田 智一 氏

シスメックス画像.jpgシスメックス株式会社 中央研究所の組織能力向上の取り組みをご紹介頂きました。

競争環境の劇的な変化を背景に、研究所の存在価値を高め、自律的にチャレンジする組織になるための活動として、「ラディ活」がスタートしました。

「ステージ1:組織成長のベクトルづくり」、「ステージ2:変革の加速と強化」、「ステージ3:自らしかける破壊と飛躍」と大きく3段階で組織能力革新を図ろうとしています。

本講演では、特にステージ1について紹介され、技術チームのミッション・ビジョンの検討、存在意義や各自の貢献の議論、それに基づく活動展開など、取り組みのポイントについてお話頂きました。

また、ラディ活を振り返っての気づきや変化感を各人がまとめたものの紹介があり、それぞれに活動の意味合いがあったことが伝わってきました。

ご講演後は、組織編制の考え方やマネジメント層の意識改革など、研究所特有の課題についてのご質問も相次ぎ、非常に活発な議論がされました。 


C-2 組織・人材革新セッション

企業の成長を支える人と組織づくり~チームに働きかけるCKI活動~
 キヤノン株式会社 総合R&D本部 CKI推進センター 上席担当部長 桑江 曜子 氏 

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本セッションでは、企業が成長するために必要な人と組織をどのように強化してポイントについて、1999年より継続的に推進されておられるCKI活動を事例としてご紹介頂きました。

本活動は、「見える化」、「人に焦点を当てる」、「コミュニケーション・課題解決のやり方・マネジメントスタイルの革新」を基本とし、若い技術者の育成スピードアップ、擦り合せ型開発への貢献などの効果についても、お話頂きました。

また、活動結果を分析され、人材育成の促進への貢献効果等も検証されており、参加者の皆様も、本活動について非常に興味を持って聴講されておりました。

ご講演後の質疑応答では、時間一杯まで、質問頂き、大変活気溢れる場となっていました。