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【073購買管理】 「たくさん買えば安くなる」と思うべからず

  • 生産管理のべからず集

部材・製品の購入の際は、一度に大量に購入したり、発注先にコストダウン交渉を行うだけでなく、関係部門の協力を得て、全社的に購入コストの改善に取り組むことが重要である。

ねらい:コスト
キーワード:調達政策、仕様見直し

一度に大量に購入すれば安くなるとは限らない

 同じモノを1個ずつ買うよりも、一度に大量に購入する方が安くなることは間違いない。しかし、仮にそのときに使う量は1個で、残りはいずれ使うだろうといった将来への備えであれば、使用するまでの期間、それらが劣化しないように保管状況を管理したり、後から購入したモノが先に出庫されないように入出庫状況を管理するなど、管理のためのコストが発生する。
 まとめて購入することによって単価は安くなる。しかし、安く買ったつもりが、結局、使用されずに倉庫に眠っているのであれば、その1個に残りの購入分の値段が付加されていることになる。
 多品種少量生産が進むことによって、購入品の在庫は増える傾向にある。すぐに使う"だろう"といった考え方では、ムダな在庫が増え続けることになりかねない。

社内の関係部門を巻き込んだコストダウン対策を

 製造業では、最終的に得られる利益が、原材料の購入時点でほぼ決まってしまうといっても過言ではない。したがって、良質な原材料をどれだけ安く購入できるかが重要となる。
 購買部門は発注先に対し、継続的にコストダウン交渉を行う必要があるが、単に削減目標を設定し、要求するだけでは上手く行かない。
 発注先に対する作業の合理化や技術指導など、発注品一品一品についてコストダウンのための方法を指導することが大切になる。その他に、購買部門が中心となって行うべきこととして、内外作区分の見直しや海外調達への切替えなどの購買業務改善、支払い条件などの契約方法の見直しが挙げられる。
 コストダウン対策は、しばしば発注先の企業の利益を圧迫するようなケースが見受けられる。しかし、設計部門、生産技術部門、品質保証部門、原価管理部門などの関係部門を巻き込み、たとえば、設計仕様、検査基準、加工条件などの見直しを行うことによって、原価そのものを低減することも重要である。

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