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経営改革の知恵ぶくろ

第37回 事業ユニットの設定はどのように行うか

今回は、事業ユニットはどのように設定するかという定石を紹介します。ここでは、事業ユニット図を描くことと事業特性に基づくKFSの把握がポイントとなります。

事業ユニットの設定と検証による事業の見える化

事業は、市場・顧客と商品・サービスによって構成されていると言えます。したがって、事業ユニットの設定は、市場・顧客と商品・サービスの2つの視点を組み合わせて行うことが定石となります。売り方や作り方の違いを考慮することも必要です。

事業ユニットの設定は、具体的には事業ユニット図を作成することにより見える化をすることが、事業ユニット図で設定した各事業ユニットについて事業特性に基づくKFSの把握をして、各事業ユニットはKFSが共通のかたまりとなっているかを検証することがポイントになります。

私は事業ユニットの設定とKFSの把握(下図参照)を「事業の見える化」と呼んでいます。

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市場・顧客を区分する視点

事業ユニット設定において市場・顧客を区分する一般的な視点は、次のような切り口があります。

・市場:国内市場と海外市場、官需市場と民需市場、顧客(得意先)の業界(建設、自動車、家電など)による市場区分、既存市場と新規市場など

・顧客:法人顧客と個人顧客、大企業と中小企業、顧客のタイプ(所得・年代や嗜好・ファン度など)による顧客区分、既存顧客と新規顧客など

・売り方:直接販売と間接販売(チャネル販売)、店頭販売・通信販売・ネット販売、国内営業と海外営業など

商品・サービスを区分する視点

事業ユニット設定において商品・サービスを区分する一般的な視点は、次のような切り口があります。

・商品:自社ブランド品と相手先ブランド品、標準仕様品と顧客仕様品、商品のカテゴリーによる商品区分、単品とシステム商品、既存商品と新規商品など

・サービス:自社ブランドサービスと他社ブランドサービス、標準仕様サービスと顧客仕様サービス、サービスのカテゴリーによるサービス区分、単一サービスと複合サービス、既存サービスと新規サービスなど

・作り方:受注生産と見込生産、自社生産(インソーシング)と他社生産(アウトソーシング)国内生産と海外生産など

KFS把握によるBU設定の検証

事業ユニットは事業のKFSが共通のかたまりを意味しますが、KFSの把握について簡単に紹介しておきます。次の表は、前回に紹介したA食品メーカーのチェーン小売BUを例に事業ユニットの特性・KFSと課題を整理したものです。事業特性に基づいてKFSを把握しますが、市場・顧客、商品・サービス、競争の3視点より行うことがポイントです。

業界の法規制などいろいろな視点も考えられますが、3視点から行うことがシンプルで理解しやすいと思います。このように事業ユニット毎にKFS把握し、そのKFSを比較することにより事業ユニットの設定が適切かどうかを検証します。

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事業ユニット設定の留意点

・将来の事業ユニットを設定すること
事業ユニットは、現状の事業ユニットを認識した上で将来(3~5年)の事業ユニットを設定してください。今後の事業戦略を立てる訳ですから、現状の事業ユニットに「新の要素」や「改革の要素」が反映された将来の事業ユニットを設定することが戦略的に重要なことと考えます。

・業界の事業ユニットを設定してみる
事業ユニットは、自社事業の事業領域を想定することですが、自社事業が属する業界全体で事業ユニットを認識することもあります。ライバルの事業領域を含めて事業ユニットを認識することになりますが、市場開拓や商品開発の可能性を業界全体でリサーチすることに繋がります。

(シニア・コンサルタント 神奴 圭康)

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