経営改革の知恵ぶくろ

第3回 経営改革とは?(2)~ 経営改革にはどんな領域があるのか? ~

経営改革の4つの領域

前回、経営改革とは「企業や事業の経営を改革(チェンジ)する意思決定と行動」と述べましたが、その内容をより具体的にイメージしていただくために、どんな領域があるかを考えてみましょう。その対象領域の違いから次の4つの改革があると考えられます。

(1) グループ経営改革
(2) 企業経営改革
(3) 事業経営改革
(4) 機能経営改革

これら4つの経営改革は、相互に関連しますが、それぞれ簡単に説明をしておきます。

グループ経営改革とは

「グループ経営(企業集団経営)」は、「グループ企業価値の最適化」を目的として「自立と統合」を推進する経営です。連結経営(親子会社の関係にあるグループ経営)が重要視される時代ですので、「グループ経営改革」はこの連結経営改革を頭に入れて行う必要があります。グループ全体の企業価値向上に向けて、具体的には次のような改革が考えられます。
※(注) グループ企業価値向上・・・グループ全体の社会的存在価値と経済的価値の向上

・グループ経営のビジョン・ガバナンス改革
  ・・・グループビジョンの見直し、純粋持株会社の導入など、グループ経営モデルの改革
・グループ事業の戦略的方向づけ(育成・成長・維持・撤退、選択と集中など)
・グループ事業の相乗効果発揮を狙った連携改革
・グループの新規事業開発や買収・合併の推進
・グループ経営管理
  ・・・組織、人事制度、連結管理会計など
・グループ資源改革
  ・・・人材開発、財務、情報システム、ブランドマネジメントなど

企業経営改革とは

「企業経営改革」は、「企業価値の最適化」を目的として行うものです。企業全体の企業価値向上を目指し、「グループ経営改革」と同様に幅広い内容となります。
※(注) 企業価値・・・企業の社会的存在価値と経済的価値の向上

・企業の経営ビジョン改革
  ・・・経営理念・行動理念の徹底や見直し、未来志向の事業領域改革など
・事業の戦略的方向づけ
  ・・・企業全体の視点にもとづく各事業の戦略的方向づけ(選択と集中、育成・成長・維持・撤退など)
・複数事業の相乗効果発揮を狙った事業連携改革
・新規事業開発や買収・合併の推進
・企業経営管理
  ・・・組織、人事制度、管理会計など
・企業経営資源改革
  ・・・人材開発、財務、情報システム、ブランドマネジメントなど

事業経営改革とは

複数の事業を経営している企業が多いと思いますが、「事業経営改革」は、個々の事業を対象とします。大企業であれば、社内カンパニーや事業部門が対象になります。また、グループ経営の場合は、事業関係会社を対象に改革を行います。この「事業経営改革」では、事業全体の成長・発展と事業価値向上を目的とした事業競争力強化が基本となりますが、次のようなテーマが想定されます。
※(注) 事業価値・・・事業が生み出す付加価値・利益やキャッシュフロー(現金収支)

・事業ビジョン改革
  ・・・グループや企業全体の視点による事業方向づけにもとづく将来事業領域の改革
・事業戦略の再構築
  ・・・当該事業の市場・顧客戦略、商品・技術戦略、事業モデルの見直しと実行
・事業運営力の改革
  ・・・当該事業の開発・調達・生産・営業・物流・サービスなどの機能連携改革
・事業の経営管理および経営資源見直し
  ・・・組織、管理会計、人材開発など

機能経営改革とは

グループ経営改革や企業経営改革の一環として、開発・調達・生産・営業・物流・サービスなどの機能を、グループ全体や企業全体の経営視点から横断的改革を行うものです。
例えば、グローバル企業における事業部門を横断したグローバル開発・生産・調達機能の再編、グローバルSCM改革、グローバル・マーケティング改革などがあります。また、事業の多様化やグローバル展開に伴う本社機能改革も、テーマのひとつと考えられます。

(シニア・コンサルタント 神奴 圭康)