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経営改革の知恵ぶくろ

第14回 経営改革の体質づくり

経営改革の成功条件として「経営改革の体質づくり」が重視されていることが、JMACが実施した「たえまなき経営改革力」実態調査を通して、明らかになったと前回述べました。しかし、各社とも改革を推進していく上で克服すべき課題との認識もあるようです。そこで、今回は、この「経営改革の体質づくり」について触れておきたいと思います。

経営改革体質の成熟度とは

経営改革体質とは、経営改革に関して企業や事業部門など組織の根幹に関わる意識・行動特質であると考えられます。経営改革は、経営改革のマスタープランや実行計画を立てるだけでは十分でなく、実行重視で成果実現までやりぬく意識・行動が欠かせません。私は、企業や事業部門の経営改革をやりぬく意識・行動という視点から、経営改革の成熟度を想定しています。次の4つの成熟度があると考えていますが、皆さまの会社ではいかがでしょうか?

■成熟度1: 経営改革をやりぬく意識が希薄な状態
        経営改革プランは立てるが、その実行の意識が弱く、行動まで至らない。

■成熟度2: 経営改革やりぬく意識はあるが、実際にはやりぬいていない状態
        経営改革実行の意識はあるが、行動面において成果実現までやりぬいていない。

■成熟度3: 経営改革をやりぬく意識もあり、実際にもやりぬいている状態
        経営改革実行の意識を持ち、成果実現までやりぬいている。

■成熟度4: 経営改革をやりぬく体質をもっており、社外からの評価も高い状態
        経営改革をやりぬく体質をもち、顧客・取引先・金融機関・株主など社外からの評価も高い。

経営改革をやりぬく体質づくりは克服課題

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経営改革の成熟度についても、前述の「たえまなき経営改革力」実態調査において、企業の皆さまにお聞きしていますが、その結果は上図表の通りです。「経営改革をやりぬく意識はあるが、まだまだやりぬいていないと思う」とした企業は、全体の約67%もありました。「経営改革をやりぬく意識は希薄であると思う」とする企業の約11%を合わせると、実に約78%の企業が、経営改革へ向けた体質強化を図る課題を持っているといえそうです。

経営改革をやりぬく体質に向けて

今、企業は厳しい経営環境下にあり、より思い切った抜本的な経営改革が求められています。経営改革体質が前述の成熟度1や2の企業から成熟度3や4の著名な企業まで、各社とも経営改革に必死に取り組んでいます。しかし、経営改革体質は、一朝一夕には出来上がりません。大変な経営環境に企業がさらされた時にこそ、経営改革の知恵を生み出す土壌となる経営改革体質が問われるといえます。今回の大変な経営環境に対応できても、また、次の新しい経営環境変化に対応しなくてはなりません。したがって、経営改革をやりぬく体質づくりの第一歩は、「経営改革は一時的なものではなく、たえまなく行われるもの」と意識し行動することです。

経営改革をやりぬく体質になるための第二歩は、「経営改革の見える化を仕組みとしてつくり、経営の各層がその仕組みを戦略的に柔軟に活用すること」です。経営改革の見える化を仕組みとしてつくるというのは、経営改革のPDCAサイクルを見える化し、改革のプラットフォームとして活用できるようにシステム化するということです。

そして、最後に挙げる第三歩が肝心です。それは、「経営改革を徹底実践すること」です。これには、経営改革の場づくりを積極的に進め活性化させることです。改革人材の計画的な開発も求められるでしょう。また、ITが進化した時代では、ITを有効活用した経営改革が必要と考えています。



次回からは、経営改革を進める上で必要な経営改革の知識や技(思考方法や手法など)を、財務・事業・管理の3面からご紹介したいと思っております。

(シニア・コンサルタント 神奴 圭康)

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