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経営改革の知恵ぶくろ

第13回 経営改革の成功条件とは

全体最適・継続改革を意図した経営改革の進め方を述べてきましたが、その成功条件とは何でしょうか。まず、経営改革を推進する主体は、「人」と考えられます。また、一人ひとりが所属する「組織風土」が、目に見えるものではありませんが、関わってきます。そこで、「人」と「組織風土」の視点から、いま一度、経営改革の成功条件を確認しておきたいと思います。

経営改革力向上の5条件

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JMACは、事業単位の経営改革について、「たえまなき経営改革力」に関する実態調査を2008年に実施しました。その中で、経営環境変化に応じた経営改革力を向上するための成功条件として何を重視するかを、各社の経営企画室(役員・部長層)の方にお聞きしています。企業の経営環境は、大変厳しい状況にありますが、その回答は、経営改革を成功させる条件を確認する上で参考になるでしょう。(上図参照)

事業トップ層の強いリーダーシップ発揮

経営改革で最も重要なことは、企業のトップマネジメントによるリーダーシップ発揮であることは言うまでもありません。前述の実態調査においても、「事業トップ(担当役員や事業部長)が強いリーダーシップを発揮して経営改革を推進すること」を、第1の成功条件に挙げています。特に、事業の経営環境変化の流れを洞察して、経営改革の必要性と全体像を示す「事業戦略力」が求められると思います。また、日本企業の強みと言われていますが、事業トップが現場へ足を運び、現場のやる気を引き出す「現場力」も欠かせません。

経営改革の背景・目的について共通認識を

事業トップ層の強いリーダーシップ発揮に次ぐ第2の成功条件は、「関係者全員が経営改革の背景・目的について共通認識を持つこと」です。たとえトップにリーダーシップがあっても、ミドル(部課長)や第一線リーダーの経営改革の意識が低い場合は、現場にやらされ感が漂います。経営改革はトップダウンでやればよいという考えがありますが、現場で実行されなくては意味がありません。関係者全員が改革の背景や目的を共通認識するプロセスが不十分だと、「俺は知らない」「お手並み拝見」「改革に抵抗する」など、経営改革の実行に対して消極的になりがちです。経営改革には、トップダウンと同時に、ミドルアップ、ミドルダウンの考え方・方法を取り入れる必要があると考えています。

経営改革を重視した体質づくり

第3の成功条件は、「経営改革を重視した体質づくりを計画的に進めること」です。組織体質は、企業や事業部門などの組織の根幹に関わる意識・行動特質と定義づけられるでしょう。経営改革の意識が希薄な体質から、経営改革をやり抜く強い体質まで様々です。実態調査においては、経営改革の体質づくりを成功条件として重視しながら、各社とも経営改革推進上の克服課題として挙げています。この「経営改革の体質づくり」の詳細については、次回お話したいと思います。

経営改革を意図した人材づくり

「経営改革を意図した人材づくりが推進されていること」が、第4の成功条件として重視されています。これは、人材開発プログラム、キャリアアップ、目標管理、人事評価など、人的資源マネジメントを通じて行われることを意味しています。各社とも、この人的資源マネジメントを通じた改革人材づくりに取り組んでいると思いますが、「経営改革の体質づくり」において欠かせない要素と言えるでしょう。

テーマ実行責任者の主体性

第5の成功条件は、「テーマ実行責任者が主体性を発揮して経営改革を推進すること」です。経営改革は、重要な経営改革テーマごとに実行責任者を決めて、推進されます。このテーマ実行責任者が主体的か受身的かによって、経営改革の成功確率は違ってきますので、経営改革責任者によるテーマ実行責任者の任命は、重要な意思決定だと思います。本人の知識・スキルや経験もありますが、最も重要なポイントは、本人のやる気(本気)や組織メンバーの巻き込み力であると、経営改革責任者の方には助言をしています。



次回は、「経営改革の体質づくり」についてお話いたします。

(シニア・コンサルタント 神奴 圭康)

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