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JMAC品質経営研究所だより Vol.16
ロシアとのリモートWebセミナー開催にあたって

  • 生産・ものづくり

宗 裕二

ロシアとのリモートWebセミナー開催にあたって

 ロナ禍の中、在宅でのテレワークが定着化し、パソコンの前に座って仕事をすることが増えた。我々の仕事も例外ではなく、自宅からパソコンを使い、リモートでの会議やセミナーを開催することがほとんどとなった。私のロシア向けセミナーも海外渡航ができなくなった関係で、結局Webを使ったリモートセミナーとなり、時差を考慮しながらの開催となった。

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 私は東京の自宅で、主催と事務局を担当してくださる皆さんはロシアの拠点で、そして受講生は各事情に合わせて、ロシア国内の職場や自宅などからパソコンやスマートフォンを使って参加していただいた。中には車の中で受講されている方もいたようで、私のパソコンからも車の中の様子が見て取れていた。通信状況は極めて良く、音声もクリアーで画面が固まることも無く、大変スムーズな進行であった。最もスムーズとなるように、資料を見ながら話すときは必要のないカメラは消していただくなど、的確な指示と協力があったからに他ならない。

 セミナーが終わってから知ったのだが、受講生が所属している会社の会場に大きなスクリーンを準備し、その会場に30名くらいの受講生が聴いている回線が存在していたらしい。しかも2回線あったらしいのだ。つまり、私から2人分の回線が繋がっているとしか認識できないのだが、実際にはその回線で60名ほどの受講生が聴いていたことになる。だからと言って、セミナー内容が変わるわけではないので、特に大きな問題はないのだが、想定外だったため、少々びっくりした。

 ともと言語の壁があり、講師である私と受講生とのコミュニケーションが心配であったが、思いの外良好なコミュニケーションが取れた。講義中でもチャット機能を使って、気が付いた時に質問や意見をくれるので、進行を妨げることが無く質問を受け付けられることは大きな収穫であった。勿論、言葉の壁があるので時間的な遅れはあるが、受講生の疑問も解決できたと思う。

 sou16-2.jpgただ、講師側としてはやはりやり難い。Web上では、どうしても表情を見極めることに限界があり、受講生の反応が分からないのである。「人が他人から受ける情報の割合は、顔の表情から55%、声の質・大きさ・テンポから38%、であり、話す言葉の内容からはたった7%である」という論文(アルベート・マレービアン;心理学者)のことを思い出した。やはりリアルに対面することは、人と人のコミュニケーションにとって、とても重要であることを改めて知らされた思いである。

 ある日本の企業の教育担当をされている方とお話をした時、新人教育の過程で、その人となりを理解し、配属情報などの役立てることが難しく、苦労されていることを聞いた。講師の話すセミナーの内容を理解することより、講師が受講生の人となりを理解することの方がよほど重要な場面もあるはずだ。早くコロナが終息し、リアルな対面の仕事をしたいものだ。

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