コンサルタントの視点 「教育と経験できる場づくり人が必要」
職業柄、セミナー講師を務めることがある。
経営コンサルタントとして、その企業の特性に合わせて講義内容をアレンジした企業内教育の講師をしている。
対象者は、若手エンジニアの場合が多く、昨今は科学的仮説の立証を取り扱った講義内容の教育が多い。
確かに、一昔前まではノウハウを扱ったセミナーが多く実施されていた。つまり教えられた通りに実行すれば、一定の成果が出るという内容の講義を依頼されることが多かった。
しかし最近は、モノの見方や考え方といった「本質を理解させる」ことを目的とした講義内容の依頼が多くなってきている。私自身が「本質を理解する」ことの重要性を強く意識していることも関連しているのだろうが、企業側も「本質を理解する」ことに対するニーズが高まってきていると感じる。
「言われたことは素直に素早く実行するが、自分自身で考える力が弱い。」「チャレンジ精神が乏しく冒険をしない傾向がある」といった若者評価をよく耳にする。
ある企業の人材開発を担当している部門の方が、自社の若手社員に対して数年前からその傾向を感じていると話してくれた。日本社会のごく一般的な最近の傾向なのであろう。
しかし、本当に今の若者は頼りない存在なのであろうか。決してそのようなことはない、と思うが如何だろうか。
世代間のギャップが意識される時、必ずと言って良い程、若者の力不足が心配され、その問題点を表現する象徴的な言葉が独り歩きする。心配をしているのは先輩であり、やがてその主導権を手渡すことになるはずの次の世代層に対して心配をしている。結局、先輩たちは、次の世代に仕事を任せたいと無意識にでも考えた時、その力不足を現在の自分と比べて認識するのではなかろうか。
かつての先輩たちがそうであったように、今の若い世代も充分な力を持っている。確かに今の先輩たちに比べれば不足な点も多かろう。
しかし、彼らが先輩たちと同年代になった時には、今以上の力を発揮していることと思う。
大切なことは、若い世代が教育を受け、経験できる場づくりを続けることであると改めて感じる。経済環境が複雑な現在、「教育」の本当の大切さを痛感する。
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