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脱・アナログ!システム一元化で変わる受注業務

コラム

2026.05.25

人手不足の深刻化や、取引先からのデジタル化要請が強まる中、アナログな受注業務が事業成長を阻害するケースが増えている。これまで受注業務は、ミスなく処理して当たり前の「コストセンター」として見られがちであった。

しかしこれからの時代は、データを蓄積・活用し、事業成長を牽引する「戦略的顧客接点」へと進化させることが求められている。本コラムでは、受注現場を蝕む構造的な課題と、次世代モデルへ転換するためのDX推進のポイントを解説する。

現場を疲弊させるアナログ受注の「負の連鎖」

現在、多くの企業がアナログな受注業務において3つの問題に直面している。

 1つ目は、FAX、電話、メール、顧客システムなど「受注チャネルのばらつき」による負荷増と受注漏れである。

2つ目は「属人化によるブラックボックス化」だ。「この顧客の特別ルールは担当のAさんしか分からない」といった属人化が進むと、担当者不在時の緊急対応や引き継ぎ後のサービス低下を招いてしまう。

3つ目は「データの不透明性が引き起こす機会ロス」である。リアルタイムの在庫情報が見えず、各所への確認作業に追われることで本来の営業活動が逼迫してしまうのだ。 

これらは独立した問題ではなく、チャネルの断片化が手入力の負荷を生み、属人化と情報のブラックボックス化を引き起こすという構造的な「負の連鎖」に陥っているのが実態である。

 「システム一元化」を当面のターゲットに据える

この負の連鎖から抜け出し、局所的なツール導入ではなく抜本的に受注プロセスを変革するには、自社の現在地と目指すべき将来像を描くことが重要だ。JMACでは「次世代受注業務モデル」の成熟度を以下の5つのレベルで定義している。

  • Lv1 完全アナログ:FAX・電話主体。台帳やExcelへ手作業で転記
  • Lv2 デジタル混在:メールやWeb受注を行うが、基幹システムへは手入力
  • Lv3 システム一元化:BtoB ECやEDIにより、受注データが自動でシステムへ取り込まれる
  • Lv4 プロセス連携:外部サイトから基幹システムまでAPIで完結し人手ゼロ
  • Lv5 予測・提案DX:AIが需要予測を行い、顧客が注文する前に自動で補充・提案を行う

多くの企業はLv1やLv2にとどまっており、まずはLv3の「システム一元化」を突破することが、付加価値の高い受注業務へ転換するためのキーポイントとなる。

システム一元化

受注業務DXを成功に導く3つのポイント

Lv3へステップアップし、DXを成功に導くためには以下の3つのポイントが欠かせない。

① 既存システムの活用(データ経路の一本化)

 単に新しいチャネルを増やすのではなく、ECシステムなどをハブとしてデータ経路を一本化する。フロントの受注ツールとバックエンドの基幹システム(ERP)をつなぎ、どのチャネルから入っても同じデータになるよう「シングルソース化」を徹底することが重要である。

既存システムの活用(データ経路の一本化)

② オペレーションの標準化

業務プロセスをパターン化し、システムが適用できる範囲を拡大することでデジタルの恩恵を最大化できる。事業やチャネルに応じた「ビジネスプロセスのパターン化」と、誰がやっても同じ結果になるよう処理手順やルールを定めた「5つの構成要素」での業務定義が鍵となる。

オペレーションの標準化

③ ステークホルダーの巻き込み

受注業務の改革には多様な関係者が存在する。「コスト削減を目指す経営層」「業務負荷を軽減したい現場」「利便性向上や誤出荷を防ぎたい取引先」など、それぞれの立場から見た課題解決に資する価値を訴求し、活動へ巻き込んでいくことが不可欠である。

ステークホルダーの巻き込み

おわりに

受注業務は、単なる処理作業ではなく、顧客とダイレクトにつながる重要な接点である。受注プロセス全体を俯瞰した改革を進めることで、業務効率化だけでなく、顧客満足度の向上や新たな付加価値の創出へと繋がっていく。 事業成長を支える「戦略的顧客接点」へと進化するために、今一度、自社の受注業務のプロセスとシステムのあり方を見直してみてはいかがだろうか。

  

(※本コラムは、2026年4月22日に開催したJMACセミナー『BtoB企業の成長を促す受注業務DXの進め方』の内容をもとに再構成したものです)

羽根田 明

経営コンサルティング事業本部
チーフ・コンサルタント

営業・マーケティング領域を専門としており、営業の生産性向上に向けた業務改革や営業力強化、営業支援システムやオフィスDXツールの導入・定着化支援などのテーマを中心に取り組んでいる。近年では、AI等を活用した営業力の向上や、業務効率化に関するコンサルティングや研修を積極的に取り組んでいる。

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