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第13回 営業活動の変革を促すセールステック導入のポイント

コラム

2026.02.16

業務改革を同時実現する『基幹システム再構築』推進

システム領域・ソリューションカテゴリ別導入ポイントの第1回目は、『セールステック』導入のポイントについて紹介する。

セールステックとは、「Sales(営業)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた言葉で、「経験や勘、感性に頼っていた営業活動を、科学的に効率化・高度化するツール群」のことを指す。代表的なツールとしては、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)、MA(マーケティングオートメーション)、名刺管理アプリなどがあげられる。

すでに何らかのツールを導入し、活用に取り組んでいる企業が増加している一方で、「なかなか成果につながらない」「導入したものの現場がうまく使えない」 「実際に営業活動が変わっているのかわからない」といった悩みを抱えている企業も多いのではないか。

本記事では、セールステックの導入を検討されている企業や前述のような悩みを抱えている企業に向けて、セールステックの導入および再設計のポイントについて取り上げる。

セールステック導入の3つのポイント

セールステックの導入時には以下の3つのポイントを意識いただきたい。

ありたい姿を実現する目的を設定する

デジタルツールの導入が手段ではなく、目的化してしまうのは、セールステックに限らず、DX推進全般において陥りがちな罠である。あくまでもデジタルツールは、自社のありたい姿と現状のギャップを埋めるための手段であり、自社のありたい姿をどう描くかによって、選定すべきツールや実装すべき機能は異なる。

特にセールステックの支援領域である営業組織においては、自社のありたい姿を描く際に、「自社らしい価値提供のあり方」を見つめ直していただきたい。

営業として競合他社に負けてはいけない要素はなにか、お客様から選ばれている理由はなにか、自分たちがお客様に提供したい価値はなにか、そのような視点で自社のありたい姿を描くことで、自社らしい価値提供のあり方、さらにはセールステックの本来の目的が見えてくる。

パッケージソフトに合わせて自社の業務のあり方を変える

「うちの業界は独特の商習慣があるから標準的なシステムは使えない」 「営業会議で使う資料はこの雛形じゃないと見づらい」 「役員・部長にはメールか電話で連絡しないと失礼」といった言い訳が、セールステックの導入や活用を妨げている場面をよく見る。

しかし、本来セールステックが目指すのは、属人的なプロセスを排し、営業活動を科学的に効率化・高度化することである。従来のやり方に固執してシステムを業務に合わせようと過度なカスタマイズを施せば、コストが膨らむだけでなく、パッケージが持つ「洗練された標準プロセス」の恩恵を享受できなくなる。

「システムを業務に合わせる」のではなく、「業務をシステム(標準)に合わせる」。この発想の転換こそが、レガシーな商習慣を打破し、組織全体の生産性を底上げする鍵となる。自社独自のこだわりが、本当にお客様への価値提供に直結しているのか。単なる「慣例」に過ぎないのであれば、それを手放す勇気を持つことが、本来的な営業改革への第一歩である。

この「Fit to Standard(標準に合わせる)」という考え方の詳細については、第5回コラムも合わせてご覧いただきたい。

行動や習慣など実業務を変える

RPAなどの自動化ツールと異なり、セールステックの多くは、営業の行動が変革することによって真価を発揮する。どれほど優れたツールを導入し、業務プロセスを定義したとしても、最終的にそれを使う「営業の行動」が変わらなければ、ムダな投資となってしまう。多くの企業が「導入したものの現場がうまく使えない」と悩む原因は、ツールの操作方法ではなく、「営業の行動原理」を変えるまでの設計が不足している点にある 。

実業務を変革するためには、以下の3点を徹底する必要がある。

① 現場の入力負荷を低減する

「忙しくて入力できない」という現場の声に対し、機能を最小限に絞る、他システムとのデータ連携を行う、モバイル入力を可能にするなど、心理的・物理的な負担を抑えて入力を促す。

セールステックを業務プロセスそのものに組み込む

単なる努力目標ではなく、システムに案件登録をしなければ見積申請ができない仕組みやマネージャー独自の管理帳票の廃止など、セールステック利用を前提とした業務プロセスを設計する

現場の成功体験を創出する

管理者目線ではなく現場にとってのセールステック活用の目的と成果を、ユーザーマニュアルや現場への説明会で伝え、モデルチームで先行事例を作る。その成功体験を横展開することで自発的な活用サイクルを確立する。

最後に

セールステックの導入は、単なるデジタルツールの置き換えではなく、営業組織のあり方そのものを再定義する「営業改革」のプロセスだと考える。経験や勘に頼る従来のスタイルから、データを基盤とした科学的な営業へと進化するためには、システムに業務を合わせる覚悟と、現場の行動原理を書き換える粘り強い働きかけが欠かせない。

もちろん、長年親しんできたやり方を変えることには摩擦も伴う。しかし、「自社らしい価値提供」をより高いレベルで実現し、変化の激しい市場において選ばれ続ける強い営業組織を構築するためには、避けては通れない道だと考える。

本記事で紹介したポイントが、貴社の営業活動をデジタルで加速させ、真の成果を創出するための一助となれば幸いである。

羽根田 明

経営コンサルティング事業本部
コンサルタント

営業・マーケティング領域を専門としており、営業の生産性向上に向けた業務改革や営業力強化、営業支援システムやオフィスDXツールの導入・定着化支援などのテーマを中心に取り組んでいる。近年では、AI等を活用した営業力の向上や、業務効率化に関するコンサルティングや研修を積極的に取り組んでいる。

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