SMDGで実現する工場DX改革 ~経営と現場をつなぐ全体最適志向~
生産・ものづくり・品質

生産技術部門として事業に貢献し、成果を創出するための要件の1つとして「ものづくり戦略」の策定とその内容の充実度(いかに具体的な改革内容を盛り込めるか)が挙げられます。
本実態調査では以下の実態を伺うことができました。
また、ものづくり戦略の分類と成果創出の関係性をみると、「工程、製品、SCMを革新する方向性や施策」「人材基盤」についての内容が充実しているほど生産技術部門として成果を創出している傾向が高くなっていることが分かります。
このことからものづくり戦略には「長期的」かつ「目指す姿への具体性をもった道筋を示す」ことが求められていると読み取れます。
実態調査の結果から、以下のことが見えました。
製造業全体では達成できているという回答は43%であった。
回答には計画の途上である場合も含まれると考えられるが、50%を割るのは低いと言える。
売上規模別のものづくり達成度は規模が大きくなるにつれて高くなる。
(大規模:5000億以上、中堅規模:500億以上、中小規模:100億以上、小規模:100億未満の4分類している)
業種別では精密機器と医薬品製造が71%と突出して高い結果であった。
どの他の業種は平均の43%と大きく変わらないか少々低い結果となっている。
達成しきれていない理由としてはあくまで仮説だが、以下のような要因が考えられる。
実態調査から把握された事実を踏まえ、ものづくり戦略とはどうあるべきかを考えていきましょう。盛り込むべき7つの要素を下記に挙げます。
ものづくり戦略は事業戦略を達成するための設計・製造における機能別戦略の1つの位置づけである。業界によるが、事業・新製品のロードマップは10年超えるスパンで作成されている。既存事業、数年先の市場投入、その先の世代を変えた新製品まで見据えた長期視点を持つこと。
長期スパンで進化する製品の構造にあわせて工程・生産設備の構造をどう対応すべきなのか構想と技術課題を見出すこと。製品と工程を分離して考えると制約が生まれて大きな革新には繋がらない。
改革構想が見えると、各領域別・領域をまたがっての連携課題が見えてくる。
製品、工程だけでなく購買・物流・生産管理などのサプライチェーンにおける課題、自社の生産方式や組織体制などを含めたマネジメントにおける課題を含めた広い視点でテーマを設定する。
改革には構造から大きく変革するドラスティックイノベーションとコツコツ小さな改善を積み重ねて基盤を強固にしているインクリメンタルイノベーションがある。大きなことを狙うだけでなく、両面がそれぞれ回ることが重要。見た目の良いドラスティックイノベーションだけでなく、基本こそ重要視した両面を織り込んだ計画を作りが必要と考える。
各テーマ、特にものづくりの構造に踏み込んだテーマについては部門単独で遂行することはできない。どの部門同士がどう連携するのか、そのタイミングは源流段階であればあるほど情報が透明になり、制約を打ち破ることにもつながる。
役割を明確にしたテーマごとの実行計画を策定する。
このような長期視点で大きな改革にチャレンジするには組織風土、文化も大切である。恐らく自社独自の生産方式(〇〇Production Way)が存在するのではないだろうか。基本思想はぶれることなく日々のものづくり業務で大切にしていることは継続しなければならない。成果を出し、事業的にも成長している企業ほど、この基本部分はとても大切にしているし、自社戦略にも明確に明記している。
最後に人材であるが、自社として自部門として目指すべき人材像を明らかにするとともに成長は実践の場が一番である。たとえ失敗があっても自主自立的に考え行動できる人材を高い目標を持たせてモチベーション高くチャレンジできる場を経営として設定いただくと共に、ロードマップに入れ込んで頂きたい。
dXコンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント
製造業を中心にQ:品質、Cコスト・生産性、Dリードタイム・在庫、S安全を総合的に改善・改革の支援をしている。
また、人材育成(製造現場、管理・監督者、生産技術者等)や企業体質の変革を狙いとしたマネジメントシステムの構築といった全社的な活動展開と共に、トータル的な課題から工場革新をするためにもの・情報の流れを起点に工場全体の生産システム構築・改革の支援を志向している。
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