コンサルタントの視点 「品質保証の本質」
コラム
2010.07.06
消費者が考える「品質」の範囲は広い。モノづくり企業が自ら考えている「品質」の定義では、恐らく追いつかなくなっている。グローバル品質を考えることが当然のこととなり、消費者そのものも市場の拡大とともに多様化している。また、製品品質にとどまらず、付帯するサービス品質も品質として評価されており、サポート体制とその内容も重要な品質要素である。
各企業が全ての製品において、設定した基準値を達成させるために行う品質管理は、今や当たり前の活動となっている。更に、提供した製品の品質が確実な内容であることを積極的に情報として消費者に届け、安心を提供することこそ重要である。品質保証は、こうした消費者の安心を確実なものとして初めて、その役目を果たすことができるのである。
品質保証の本質は「情報の取り扱い」であろう。「情報の取り扱い」の本来的な機能は、正しい情報を選択し、正しい加工をし、正しい伝達先へ伝えていくことである。正しい加工においては、リスクとバリューの評価が行われ、価値ある情報へと変換されていく。更に、クライシス時には、その伝達スピードが重要な要素となる。
たとえば、大抵の場合、顧客の要求事項は設計部門で製品仕様という形に情報加工され、製品の加工条件として製造部門へ伝達される。また、顧客からのクレームはクレームの処理ルールに則り加工され、処理されていく。
では「情報の取り扱い」は問題無く行われているのだろうか。
問題は二つある。第一に、取り扱っている情報の範囲がネガティブな内容に偏っており、取り扱うべき正しい対象になっていない可能性があること。第二に、正しい情報を選択する感性を持ち合わせていない可能性があることである。
貴社の状況はいかがであろうか。
貴社の品質保証において、正しい「情報の取り扱い」を行なえているかという視点に立ち、情報の選択・加工・伝達が正しく設計されているかを、あらためて確認してみることも必要ではないだろうか。
まずはお気軽にご相談ください。
自立・自走できる組織へ
信頼と実績のJMACが、貴社の現状と課題をヒアリングし、解決策をご提案します。