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「現場で動ける人材」が育つオーダーメイド実践型の研修プログラム

株式会社アグレックス

右からDX事業本部 DXビジネス推進部 部長 森本旭さん、吉成奈穂さん、松浦暢子さん、DX事業本部 CRMソリューション事業部 DXインテグレーション部 上級主任 山根彩乃さん

日本企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)はコロナ禍で一気に加速した。IT分野で幅広く事業を展開するTISインテックグループに所属し、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)、SS(ソフトウェアソリューション)、SI(システムインテグレーション)を柱とする総合情報サービス企業の株式会社アグレックス(以下、アグレックス)は、このDX需要の急増に対応しようとお客さまの要望に応えられる力量を備えた人材の育成に力を入れている。デジタルトランスフォーメーション事業本部(以下、DX事業本部)の業務特性に沿ってオーダーメイドで企画・開発し実行された「プロジェクト危機管理力の強化トレーニング」の実例を紹介しよう。

実務に即した研修プログラムを開発

「需要の急増、受注規模の拡大が続くDX事業本部では、実務に即した研修プログラムによって、人材を育成する必要性が出てきました。しかし、研修プログラムを自社内で開発するノウハウもリソースもないため、プログラムの開発から研修の実施までワンストップで提供しているJMACにお願いすることにしました」と、DXビジネス推進部 森本さんは研修プログラム導入の背景を説明する。

DX事業本部 DXビジネス推進部 部長 森本旭さん

DX事業本部 DXビジネス推進部 部長 森本旭さん

2019年の導入時に必要とされていたのは以下の3つだった。

  1. プロジェクトの大型化に伴い、お客さまとのコミュニケーションロスなど、案件の赤字化を招きかねないプロジェクトの遂行リスクと顧客対応のあり方を理解すること
  2. プロジェクトの大型化に伴い重要になってきた、工程ごとに個別契約を締結する「多段階契約」とプロジェクト推進のあり方を理解すること
  3. 万が一、提供システムに障害が発生した場合の即時対応力や再発防止力を高めること、影響を局所に止め最小化する方法を理解すること

これら3つを踏まえ開発された研修プログラムが、「プロジェクトリスク対策トレーニング」「SEに必要な法務に基づくプロジェクトの進め方」および「トラブル対応トレーニング」だ。

「DXビジネス推進部ではこれまでもいくつかの研修施策を実施していましたが、当社の課題に合わせてプログラムの企画・開発からJMACに支援してもらえたのは助かりました。上記の3研修はDX事業本部の920名のうち300名弱に実施することができました」と、DXビジネス推進部 吉成さんは話す。

DX事業本部 DXビジネス推進部 吉成奈穂さん

DX事業本部 DXビジネス推進部 吉成奈穂さん

トラブル対応トレーニングで学ぶ“切迫感”

実際、研修プログラムを受講したDXインテグレーション部 山根さんは「JMACのチーフ・コンサルタント 堀さんが、自身の失敗談や成功談などを気さくに話してくれ、受講者も話しやすい空気を作ってくれたおかげで安心感がありました」と話す。

DX事業本部 CRMソリューション事業部 DXインテグレーション部 上級主任 山根彩乃さん

DX事業本部 CRMソリューション事業部 DXインテグレーション部 上級主任 山根彩乃さん

最大の特徴は、一人ひとりが身をもって習得できるようにロールプレイを中心としたプログラム構成にしたことだ。たとえば、「運用システムにトラブル発生、そのときあなたはどのようにトラブル対応しますか?」というケースを設定。1チーム4〜5人で2チームにわかれ、リーダー、調査担当、記録担当といったそれぞれの役割に応じて、30分間トラブル対応に取り組んだ。チーム内でリーダーを中心に相談し、調査担当は関係者へ事実状況の確認を行い、リーダーや各担当者に調査状況を共有、記録担当は調査状況を記録、コミュニケーション担当は社内関係者へ状況報告準備をする……といった形でロールプレイは進む。

実務でマネジメント経験を持つ有識者にも講師として参加してもらい、ロールプレイ終了後はフィードバックをもらう。座学でのトラブル対応の基本的な考え方の理解に加えて、実践することによって、受講者が実際の業務でリスクに直面した際やトラブルの発生時に単独で対応できるようになることを狙った。

「トラブル対応トレーニングは“切迫感”を学んでもらうため、テキストに知識を詰め込むのではなく実践型にしました。アグレックス社内で求められるトラブル対応力を身につけられる研修内容となっています」とJMACの堀毅之は話す。 

また、プロジェクトリスク対策トレーニングでは、アグレックスの過去のプロジェクトの事例を活用し、リスクマネジメントのポイントを単なる知識としてだけでなく具体的にイメージし、今後のプロジェクトマネジメントに活用できるようにした。「要件定義に課題があるケース」「推進体制に課題があるケース」など、過去の事例だからこそ細部までリアルな状況設定が可能で、「どうすべきであったか?」「もし、もう一度このようなことがあるとしたら、自分ならどのように対策するか?」を考察することができる。こうしたつくり込みができるのは、オーダーメイドの研修プログラムならではだからだろう。

「実際の研修プログラムの企画では、どのように研修として形にすればよいのかわからない難しさがあり、JMACと何度も打ち合わせを重ねて議論しました。JMACには、これまでも当社を含めてTISインテックグループで組織風土改革の支援をしてもらっていたので、当社についてよく理解しており信頼感があったのが良かったと思います」とDXビジネス推進部 松浦さんは評価している。

DX事業本部 DXビジネス推進部 松浦暢子さん

DX事業本部 DXビジネス推進部 松浦暢子さん

研修を通しての気づきを現場でも実践

山根さんは、「プロジェクトリスク対策トレーニング」「SEに必要な法務に基づくプロジェクトの進め方」の2つの研修も受講した。

「プロジェクトリスク対策のロールプレイでは、“どのように社内調整をするか”と“お客さまに納期が遅れることをどのように伝えるか”を考えました。ごめんなさい、すみませんと謝り、頑張りますと言うだけでなく、現在の状況説明と代替案や対応策をいくつか提示する、という対応について褒めていただいたのがうれしかったです。お客さまがやりたいといっていることをすべて受け入れて提案書を作るだけでなく、見積もりの段階で事前に考えられるリスクを洗い出し、そのリスクにどう対応するかまで考える必要があるのだと、研修を通して気づくことができました」と山根さんは振り返る。

山根さんが受講した当時は入社10年目で、プロジェクトマネジメントを任される立場であった。プロジェクトの健全な遂行のため、提案、契約、プロジェクトの計画作成などのタイミングにおいて法令・社内ルールの確認などを今まで以上に体系立ててやる必要があり、従来のやり方では対応できなくなっていたという。

「“プロジェクト実施責任者である事業部長から顧客責任者へコンタクトをとる”など、実際のアグレックスの体制図に沿って、法務に基づくプロジェクトの進め方を明確に、わかりやすく学べました。学んだことは今、現場で役立っています」と山根さんは話す。

実践の場で再現できるようになる研修は、自社が大切にしているプロセスやルールに沿った内容だからこそ実現できる。トラブル対応トレーニングはDX事業本部だけでなく、ほかの事業本部でも採択され受講されるなど横展開が進んでいる。これもまた、アグレックス向け研修プログラムが評価されているという1つの証だろう。

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