【開催レポート】R&Dサミット2025 (組織活性化分科会 第2回)
R&D・技術戦略

コラム
2015.02.20
本コラムでは著者が30年経験した新商品・新規事業のコンサルテイング事例から原理・原則的なポイント、基本的な考え方・進め方を中心に連載します。
2002年に以下の実態調査をしました。答えていただいたのは、経営企画部長・役員の方々で、「新たな事業機会創出のネタづくり」「研究開発成果の早期化」が主な課題でした。10年後の2012年も同様な調査をしていますが、この傾向は変わっていません。
顧客価値に関してはB To B To Cで対象顧客を定義することから始まります。顧客の定義の前には、対象事業ドメイン(領域)を決めなくてはいけません。原則的には自社が事業をしている周りが事業の範囲になります。差別化に関しては自社の強みが源泉で、技術・営業ネットワーク・事業部間シナジーと多岐にわたりますが、「とんがったもの」が必要です。事業化でもっとも難しいものが、売りです。どんなに差別性のある商品でも売れないことを数多く経験しています。売りに関しては、どのようなモデルを構築するかも大切で、ビジネスモデルもこのひとつになります。
下図が、事業化の基本フローです。I.ネタ探し、II.事業化計画、III.製品化プロセス(売りも含む)の3フェーズに分けて展開するのが基本です。
I.ネタ探しのフェーズは、マーケットニーズ側と技術シーズ側の両面からネタ探しを検討するのが原則です。
II.事業化計画では、仮説・検証の先出しジャンケンが大切で、このツールとして仮想カタログを長年JMACでは開発・採用してきました。とくに技術者にマーケティングしてもらい、相手の技術者の潜在ニーズを引き出すことも必要と考えています。事業化の評価に関してはNPVや投資回収など、いろいろな手法がありますが、決め手はないと思います。最後は本当にやる気のあるリーダーと役員がいるかが決め手になるのは間違いありません。
III.製品化プロセスに関しては、売る仕組みをいかにつくるかが大切で、これは簡単ではありません。B To B事業では、最終的には技術に依存して、差別化技術が決め手になったことも多いと思います。一連の事業化プロセスを俯瞰的に見て、自社ができている点、強化しなくてはいけない点を客観的に見ることが大切と考えています。
次回からこのプロセスに沿って、ポイントを解説していきます。
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