コンサルタントが見た「世界の品質」 『中国の品質 JIT生産と 「じっと」』
コラム
2012.09.30
欧州系の自動車会社直系の中国部品メーカーがある。この欧州メーカーは自社の方針としてJIT生産を謳っている。
車種は一世代前のモデルではあるが、業務用としての需要が高い。工場は、車体のフレーム構成のボンネットユニット、リヤユニットの外装部品のプレス・溶接組立を主体とした板金工場であり、欧州メーカーから貸与されたプレスラインと貸与金型を使っている。品質面においては、日々、異物付着と打痕・絞りフロー痕、切断面のバリとの戦いである。
1パレット収容数16ヶ毎に、専用検査員が外観の目視確認を行い、問題があればラインを止め、原因追求を行う。外観の修正については専門工が配置され、検査アウト品はサンダー掛け工程へと廻される。その頻度たるや半端ではない。そこのライン長に、『JIT生産に挑戦しているのでしょう。品質には苦労しているね。後工程へのJITは難しい?』と聞くと・・・『40年前の老朽プレスと支給金型だから、我々ではどうしようもない。親会社は設備を支給する役目。わが社は、生産する役目。改善は事務所にいるエンジニアの仕事。我々は、自分の役目を果たすが、後は、「じっと」 見ているだけ』 と、ニヤッと笑う。うまいことを言うもんだと感心。中国語にもダジャレはあるのか・・・。ふと気付いて通訳の顔を除きこむ。各担当が「じっと」見ていても、この欧州系メーカーは中国市場の上位を常に走り続けている。恐るべし中国のJIT生産!
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