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コンサルタントの視点 「勝てる戦略、勝てるスピード、勝てる品質」

コラム

2012.03.30

JQMQvol.7_20120310.pdf

 グローバルな競争が続く中で、勝てている会社と劣勢に立たされている会社をコンサルタントという職業柄、比較観察していると戦略、スピード、品質という3つの観点の差を感じる。

①戦略的側面
 日本は成熟期に入り、成長機会は発展途上国を中心に考えられていることが多い。その国々で勝てている会社を見ていると戦略立案を現地と上手く行っていることである。日本に居てもある程度の情報は集めることはできるが、その程度の情報は競合も集めていることを忘れてはならない。戦略のベースを現地・現物・現人(その国の人)からの情報・観察から得ることが大切であるし、そこから生まれる偶然的な新たな発見・発想もあるはずである。

②スピードの側面
 昨今、韓国勢の追上げが激しいが、その要因は日本からすればビジネスの展開など常識を外れたスピードが挙げられる。例えば、中国の自動車販売台数伸び率でも過去最高の記録を更新し続けている。御存知とおり、韓国の財閥系企業のほとんどがオーナー経営者ということもあるが、条件が違うこと指摘しても競争のフィールドは許してくれる訳ではない。年計、中計、社内意志決定システムについて、スピードの要素に入れる必要があると切に思う。

③品質の側面
 品質企画の出発点はVOC(お客様の声)からの顕在・潜在ニーズから仕様情報に展開されるところから始まる。設計・製造の品質などは強い日本企業は多いが、VOCの展開及び発見が弱いとともに真剣に取組んでいないと思える。先ほどから発展途上国の例で言えば、ターバンを巻いた人が乗りやすい車、イスラム教徒にお祈りの方向を正しく示す携帯電話などヒット商品は枚挙に暇がない。先日、国内のクライアントにおいても、ユーザー訪問からヒット商品は生まれた。やはり、「VOC」を現地で発見的・創造的に捉えることが今後の勝負どころである。  

コンサルタントプロフィール

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チーフ・コンサルタント 石田 秀夫

大手自動車メーカーの生産技術部門の実務を経て、JMACに入社。ものづくり領域(開発・設計~生産技術~生産)のシームレスな改革・改善活動のコンサルティングに長年従事。生産技術リードでものづくりを変え、日本製造業の強みである「造り込み品質」や「ものづくり」の力を引き出し、企業を段違いな競争力にするコンサルティングを推進中である。近年は日本版インダストリー4.0/IoT化によるQCDダントツ化デザインや生産戦略/生産技術戦略、ものづくりグランドデザインを主要テーマにしている。

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