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コンサルタントが見た「世界の品質」 『チーズの値段~品質コスト把握の重要性』

コラム

2011.12.15

JQMQvol.6_20111210.pdf

アメリカのマーケットで24枚入り$6.29のスライスチーズを買ってきた。そのなかには不揃いのチーズが2枚ほど入っており、どちらも同じような場所が折れている。おそらく生産設備上の問題と思われる。
さらに観察すると、チーズ一枚一枚を包んでいる包装資材は見事に薄手で、一切の印刷がない。他方、日本のスライスチーズは立派な包装紙に包まれており、中身も均一である。ただし、価格は8枚入り360円と、アメリカのスライスチーズの倍以上である。これだけでは正確な比較にはならないだろうが、モノづくりに対する考え方の違いを、垣間見た気がした。
 特に日本の食品業界はクレーム対応に神経を使い、より安全な方向へとお金をかける傾向にある。品質レベルもクレームに対応すべきレベルを自然と追いかけているように思う。その考え方自体は良いのだろうが、品質に係わるROIをしっかり測定できているのだろうかと心配になる。

日本は無条件に品質が最優先であり、品質コストに関する体系化や、測定に係わる集計システムなどの構築は弱いと感じていた。
品質を専門に追いかけてきた者の一人として、改めて品質コスト(予防コストや、評価コスト、失敗コストなど)の考え方を導入することを重要に思う。                

(JMAC シニア・コンサルタント 宗 裕二)

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