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コンサルタントが見た「世界の品質」 『不良も時には必要?~日本とアメリカのコスト感覚の違い』

コラム

2011.09.16

JQMQvol.5_20110926.pdf

 アメリカのチョコレート製造会社での出来事である。

後工程の設備に不具合が生じ、生産を短時間ストップさせた。
後工程だけでなく、前工程も停止させると思っていたが、前工程からはトロけたチョコレートがどんどん流れてくる。現場のオペレーターは、流れ出るチョコレートの進路を切り換え、トロけたチョコレートを段ボール箱に受け取り始めた。連続生産のため、設備を動かし続けた方が後工程の復帰時に品質面で安定した製品を直ぐに供給できる。
しかし、段ボール箱に受け取っては明らかに不良品となる。しかも大量に、である。
日本的発想で、"設備の不具合による停止はこんなにも不良を発生させ、廃棄することになるので、二度と止まらないようにすべきだね"と話すと"廃棄にはならない"とのこと。工程内では再利用されないが、段ボール箱のまま、教会に寄付される。これは寄付行為とみなされ、税金控除となり、社会的評価も得られる。教会はそのチョコレートを使い、特性のクッキーでも焼き、寄付活動を行うに違いない。 現場のオペレーター曰く、"不良が発生しても良いことに繋がる。時にはこんなこともないと・・・。"大らかな文化は大好きだが、日本的なコスト感覚を現場に根付かせることへの不安を感じる一方で、日本的コスト感覚が本当に正しいのか、改めて考えさせられる。

(JMAC シニア・コンサルタント 宗 裕二)

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