コンサルタントが見た「世界の品質」 『アメリカの品質』
コラム
2011.04.08
アメリカの企業には基本的に定年がない。レイオフは年齢の若い人から行われ、年齢の高いベテランは法律で保護されている。製品の品質が基本的に現場で作られ、守られている構造は、アメリカも日本と同様である。現場のベテランが多くのノウハウを持ち、製品品質を作り出している。「アメリカの企業では、自分の技術を人に教えない。」と聞いたことがあるが、実感としてもそう言える。自分の仕事を取られないための対策ではなく、人に教える必要性を感じないようである。
その反面、与えられる役割(仕事のアウトプット)に対する評価は厳格なようだ。年齢とともに、その役割を果たせなくなれば引退を考える。職場の一人ひとりの業務遂行能力を常に評価しなければ、企業としての業務の品質は守られない。ある日突然、首を言い渡され、翌日には職場を去るなど、当然のこととして起こる。
こうした状況下では、微妙な勘やコツを必要とするノウハウは伝承できないと思われるが、そこはアメリカ特有な、合理的でかつ大らかな文化が吸収しているようだ。購入した延長コードのソケット穴にコンセントをさせないなど、平気で起こる。その代わり、少々の時間が経っても、多少使っていても、返品できる。品質に対する消費者意識は日本と大きく違う。これは一つの文化である。文化を理解せずして品質は語れない。
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