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ECRS(改善の4原則)

 ECRSとは、業務改善を実視する上での、順番と視点を示したものである。ECRSは、Eliminate(排除)、Combine(結合と分離)、Rearrange(入替えと代替)、Simplify(簡素化)の英語の頭文字を選択したものである。業務の改善においてECRSを適用すると、改善の効果が大きく、過剰や過小な改善も避けられ、さらに不要なトラブルも最小になることが知られている。

Eliminate(排除):業務の改善を考える場合、最初に検討するべき視点が、「E」(排除)とされる。業務の成果物又は作業レベルを無くすことが可能であれば、コストも、手間もかからず、実行も速い。生産において、検査、給油、測定等、必須と考えている作業も、無くせれば効果は大きい。間接業務においては、報告を無くす、会議を無くす、効果の少ない地域との付き合いを無くせればやはり効果は多きい。改善においては、まず業務の「E」(排除)を検討することが重要と考えられている。

Combine(結合と分離):「E」(排除)の検討が終わった後は、次に検討する視点が、「C」(結合と分離)である。類似の業務を結合し集中化すると、必要な設備・工具・備品等が削減し、作業者個人が必要とするスキル数も減少する。異なる属性を有する業務を分離することにより各工程内の業務の類似性が高まりスムースな業務遂行が期待できたりする。「C」(結合と分離)の改善も「E」(排除)の改善と同様、投入するコストも手間も少なく、導入/実行の障害も少なく、作業者に好まれる改善となり、実施も容易である。

Rearrange(入替えと代替):「E」(排除)「C」(結合と分離)が終わった後次に検討する視点が「R」(入替えと代替)である。作業順序、作業場所、担当作業者の入替等を変更する視点での、業務の小規模での再設計がこれである。部材のハンドリングの適性化や、工程順序の適性化、スペースの適正化が進む。「R」(入替えと代替)による変更により、片付け業務が削減や、準備作業、付随作業の効率化が進む。「R」(入替えと代替)による変更により作業者への業務変更が始まるが、基本的には小改善なので、変更の困難性は小さい。

Simplify(簡素化):「E」(排除)「C」(結合と分離)「R」(入替えと代替)が終わったのち、最後に検討する視点が、「S」(簡素化)である。業務実態を測定・分析し、動作/要素/作業/工程単位での、あるべき姿を設計し導入する活動である。


(文責:鎌田秀明 シニア・コンサルタント)