ビジネスインサイツ79号

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もっと身近になります。
ています。
小澤 まさに﹁ 伝統と革新の融合 ﹂
ですね。では、さらに未来に目を向
どんどん個人の健康管理
このように分析機器が
小型化されると、測定が
伝統工芸と当社製品の融合に取り
けると、どのようなビジョンをお考
年を
今 年、 私 ど も は 創 業
迎え、記念事業の一環として京都の
組みました。私が開発に関わった液
の中に入っていき、デー
上田 今ある分析機器のサイズはま
だまだ大きい。たとえば血管撮影シ
線 撮 影 装 置、
され、フィードバックさ
れていく。ですから分析
に
機器は多くの分野に広が
り、 い ず れ は
︵クラフ
がコンセプトの﹃ Craftech
テック ︶
﹄と位置づけています。創
た。このプロジェクトは﹁ 技と業 ﹂
はもっとコンパクトになっていいと
必要になります。しかし、分析機器
るものなので、ある程度のサイズが
装置などの医用機器は人間を診断す
のでなければなりません。単に、健
るか。そこまでわかるも
もっと健康改善に寄与す
で は な く、 ど う し た ら
には、ただ測定するだけ
考えています。そのとき
どで人に優しい診察室をつくる。あ
技術、データ管理技術、高感度化な
も浸透する時代がくると
業当時の理化学機器にも漆塗りや銅
思っています。
康のために﹁ 食事、睡眠、運動に気
ステムなど
タがリアルタイムに解析
えでしょうか。
まき え
業のひとつ、西陣織を輝かせてきた
。
蒔絵で彩られています︵ 前頁写真 ︶
装置に
頭部と胸部専用の
は京友禅のお誂えの柄を。ほかにも
金継ぎや京七宝、京漆器などの伝統
工芸を機器に施していただきまし
板加工などの技術が応用されてお
センサ﹂
︵写
たとえば﹁
真左上 ︶を先ほど見ていただきまし
わざ
り、その﹁ 手仕事の品質 ﹂は現代の
わざ
高精度を誇る工業製品にも脈々と受
技術や、生体デー
るいは自宅が診察室になる遠隔医療
を実現する
タ を 常 時 計 測 で き る 小 型 化 技 術、
何を行えばどのような効果があるの
か、その効果測定も含めて、各種分
ウェアラブル技術など、未来を予測
﹂を簡単に測定で
きる装置です。体内のたんぱく質が
析データに裏付けられた対策を提案
で、 老 化 物 質
糖と結びつき、コゲのような状態に
なったのが
センサ﹂では、
働きがあります。近い将来、オキシ
ラックスしてストレスを軽減させる
圧を下げ、心拍数を下げるなど、リ
分泌されますが、オキシトシンは血
るとオキシトシンというホルモンが
きます。また、人間は幸福感を感じ
その蓄積量をわずか数十秒で測定で
を提供していきたい。
合し、幅広い領域で製品やサービス
入れており、分析と医用の技術を融
るための最先端技術の開発も視野に
来を考えています。それらを実現す
ドバックされていく。そのような 未
そしてわかりやすい形で人々にフィー
機 器 は もっとコンパク トに な り、
データの活 用 方 法 を提 案していく。
に、
いくつかの展示を行っています。
上田 まさにそのとおりです。未来
社会を体感していただくことを目的
とらえられているのでしょうか。
おける科学技術の社会実装 ﹂として
小澤 大阪・関西万博にも出展され
ていますね。こちらも﹁ 未来社会に
A
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ホ ー ル デ ィ ン グ ス、
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ひとつ目は、大阪大学大学院工学
研究科と島津製作所、伊藤ハム米久
トシンも簡単に短時間で測定できる
しています。
ような技術が開発されることを期待
のひとつ。
﹁
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たとえば心の健康を見守るロボッ
技 術、 セ ン シ ン グ
ト 技 術 や、
進めています。
した最先端技術の開発︵ 右画像 ︶を
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できるような仕組みが必要です。
る成分﹁
をつけてください ﹂だけではなく、
未来を予測した最先端技術の開発
たが、あれは指一本で老化につなが
P
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け継がれている、ということを表し
X
B
to
C
分析が家庭の中へ
未来を変える解析技術
体クロマトグラフも、京都の伝統産
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数十秒で測定が可能になった「AGEs センサ」
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Vol.79
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