ビジネスインサイツ79号

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- 日綜産業におけるBCP基本方針
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被害の軽減を図り、自社の経営を維持する
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供給責任を果たし、顧客からの信用を守る
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従業員の雇用を守る
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災害復旧貢献や地域社会からの需要に応える
県千葉市の本社内に置かれていた
人命(従業員・顧客)の安全を守る
事務局を統括する専
務取締役 管理本部の土屋豊さんは、
な る。
ていくのだ。
その意義を強調する。
でディスカッションしながら確認し
他の企業と一味違うのは、ここで満
﹁ 発災当日から翌日にかけては、社
﹁ 拠点の近くに住む社員を集めると
ひととおり定められた。日綜産業が
足して立ち止まらなかったことだ。
員の安否確認や非常食の配布、家に
て初めて気がつくことや、見えてく
小野社長が次のように語る。
ることがあります。訓練後にはそう
計画されていても、緊急時に実際に
の後は、復旧支援のための機材を出
し た 情 報 を 出 し 合 い、
出社できる状態なのかなど、訓練し
荷できる体制を構築しなければなり
帰れない社員が寝泊まりする場所の
ば意味がありません。災害が起きた
ません。全員が出社できない状況下
確保といった動きを確認します。そ
らすぐに動けるように、トレーニン
ラッシュアップしていく作業をして
をつくっても、実際に機能しなけれ
グの反復が重要だと繰り返し伝えて
でどうやって仕事を回すのか。機材
をブ
きました ﹂
います ﹂
策定後はそれを全社に定着させるた
こういった点を、一つひとつ議論し
はどのような手段で連絡するのか。
都度柔軟に見直されている。たとえ
計画と現実とのギャップは、その
の
めの各種訓練が行われている。事務
ば機材の輸送に必要な燃料は当初、
うち、当初の計画では考慮しきれて
こうしたシミュレーションを行う
討していく中で、安全面やコスト面
が考えられていた。しかし詳細を検
自社で設備をつくって備蓄すること
発電装置などのバックアップ体制が
社外のデータセンターであれば自家
電源供給が止まれば停止しますが、
﹁ 本社内のサーバーは停電でビルの
ることになった。
確認なども定期的に実施。こうした
座学だけでなく、災害時の避難経
路の確認や、非常食や備蓄品の在庫
合格するまで続けられた。
長の強い要請もあって、社員全員が
われ、
﹁ 導入編 ﹂については小野社
勉強会後には﹁ 理解度テスト﹂が行
れている。災害後に設置される﹁ 対
策本部 ﹂を中心に﹁ 救護班 ﹂
﹁ 情報
収集班 ﹂
﹁ 物品統制班 ﹂などの班ご
とに分かれ、それぞれの行動を机上
を改善するための貴重なデータに
のため現在は、普段から取引のある
から現実的ではないことが判明。こ
いなかった課題が浮かび上がってく
整っているので、災害時のリスクを
基本的対策に加え、事業継続に主眼
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週間後といったタイムスパンを想
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定したシミュレーション訓練も行わ
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る こ と も あ る。 こ れ ら は、
の考え方や実際
﹁ 意識醸成勉強会 ﹂を開催。
ていきます ﹂
︵ 髙岡さん ︶
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局メンバーは全国の拠点をめぐって
こ う し た 方 針 の も と、
を運搬するトラックのドライバーに
﹁せっかく時間とお金をかけて計画
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とは何かという説明から始まり、同
社における
低められる。
コストもかかりますが、
を置いて災害翌日や 週間後、 ∼
の行動手順などを確認していった。
システムが停止した場合の被害を想
が
年夏までには、
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基礎的な事項を網羅した
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こうして
事業継続訓練を重ねながら
をブラッシュアップ
的だと考えました ﹂
︵ 髙岡さん ︶
定すれば、費用対効果の面でも合理
が、社外のデータセンターに移管す
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専務取締役 管理本部 副本部長・土屋豊さん
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大規模災害が発生した場合に
東日本大震災発生直後の岩間事業所の場内。
積まれた機材が崩れるなどの被害を受けた
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Vol.79
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