ビジネスインサイツ79号

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- 新工場企画構想から実現までの流れ
・フェーズ 2 構想具体化:設備要求仕様の具体化、コンセプトに基づく施策(生 産性、品質など)の具体化
・フェーズ 3 立ち上げに向けた初期準備:工事、設備導入における課 題管理、 SCM のオペレーション改革の構想検討
JMAC の
・フェーズ 4 新工場運用準備:新工場稼働に向けたオペレーションの準備、関連情報システムの改革の構想検討
支援範囲
フェーズ 3
フェーズ 4
フェーズ 5
構想具体化
立ち上げに向けた
初期準備
新工場
運用準備
新工場
稼 働前準備
新工場
企画構想
フェーズ 2
フェーズ 1
2024
2023
えたいなら、 倍ぐらいで考えない
物事を考えていない証拠。本気で変
という数字は今の延長線上でしか
れない地震のために、毎日膨大な労
なった。
﹁ 何年かに一度あるかもし
せた方が合理的だとの思いが強く
を考えると、人がやるより機械に任
た結果、モノを探す時間、運ぶ時間
しかし運搬距離や工数を分析し
割
と、本当の変化は生まれない ﹄と言
が出ました。でも、ある人に﹃
われ確かにそうだと思ったのです ﹂
倍は難しいと思っていました。で
一方、宇野さんは﹁ 正直なところ
策を講じたうえで、自動化による日
のか?﹂
。最終的には必要な安全対
力をかけ続けるのは本当に合理的な
3
︵ 高橋さん ︶
2
も数字を意識することで、なんとか
判断し、導入を決断した。
常的な生産性向上を優先すべきだと
ていきました。社内だけでなくメー
カーとも話し合いを重ね、どうすれ
ば達成できるかを真剣に考えるよ
うになったんです ﹂と語る。
稼働までのスケジュールが 年と非
最大の課題は、
新工場の立ち上げ・
進めた協力会社との強固な関係性に
支えたのは、プロジェクトを一緒に
となくアイデアを出し続けること
り、適切な意思決定やあきらめるこ
産性 倍 ﹂という目標が判断軸とな
る。このときに、
あらゆる場面で﹁ 生
範囲にわたって検討する必要があ
にはオペレーションの改善など広
ず、工程の改善や設備の改善、さら
全社一体で取り組まなければなら
する体制づくりが、早期から求めら
ため、確実な計画と進捗管理を実行
が高まって大きなロスを生む。その
が、検討が甘ければ手戻りのリスク
定を前倒しで進めなければならない
ては、要求仕様の策定やベンダー選
実に導入が決まっている設備につい
ネックとなったのが設備の導入。確
常 に タ イ ト だ っ た こ と だ。と く に
流の
時間外労働に上限規制を設けた﹁ 物
ほかにもトラックドライバーの
らいやすい環境が整っていたのだ。
れが多く、意図や考えを理解しても
関係各社も夢工場建設時と同じ顔ぶ
ちろん、ゼネコンやサブコンなどの
もあったという。設備メーカーはも
が停止し、原料や製品の出し入れが
た。理由は東日本大震災で自動倉庫
当初、導入には慎重な意見が多かっ
原料倉庫の自動化もその一例だ。
短期間でのプロジェクト推進を
ロジェクトはスムーズに進行した。
期を乗り越えたことで、その後のプ
苦笑いする。しかし、この困難な時
んらは﹁ 地獄のフェーズだった ﹂と
らなかった当時を振り返り、宇野さ
企画構想と同時に進めなければな
工場として、太陽光発電の活用や地
も着手した。また﹁ 環境に配慮した
率化を図るなど、出荷体制の改革に
待機時間の短縮や積み込み作業の効
ラックの滞留時間を計測・可視化し、
テーマとして掲げて取り組んだ。ト
物流をどう変えていくか ﹂も大きな
がっていく。
できなくなる事例があったからだ。
荷の流れが変化するため、
﹁ 出荷の
工場稼働により、夢工場を含めた出
2
0
2
4
2
なども徹底的に見直すことにつな
年問題 ﹂を見据え、新
につながっていった。結果、清掃の
生産性 倍を達成するためには、
保全課 課長・若見圭佑さん
れた。
2
しやすさや機械切り替えの効率性
2
タイトなスケジュールを
いかにして可能にするか
実現したい、という気持ちに変わっ
2
12/4 稼 働
設 備 工事
建 築 工事
企画フェーズ
本生産
開始
竣工
生産設備着工
建 築着工
設備発注
建 築 業者決定
12
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10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
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1
・フェーズ 1 新工場企画構想:新工場のコンセプト検討と実現課 題の明確化
・フェーズ 5 新工場稼働前準備:コンセプトや目標 達 成度の評 価と実現に向けた課 題 解決の推 進
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Vol.79
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