ビジネスインサイツ79号

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- YUR AKUSEIK A
C ONSULT ING C A SE 3
有 楽 製 菓 は﹁ ブ ラック サンダー﹂
にコン サ
ル ティ ン グ を 依 頼 し た の は、 プロ
そ う し た 中、
要に応えるには不十分だった。こう
ジェクトを通じて課題解決の手法や
生産ラインの増設を経てもなお、需
年末、隣接地に﹁ 豊橋
して
分析を学ぶことで、社員一人ひとり
夢工場第
を新設する計画が始まった。
ち込むほどの好物 ﹂とメディアで大
ツ大会に出場した選手の﹁ 現地に持
トにも携わり﹁ 当時は新設備の導入
通昭さん。夢工場の建設プロジェク
ダ ー を 務 め たの は、取 締 役 の 高 橋
新 工 場 建 設 の プロ ジェク ト リ ー
既存工場のコピーではなく
将来を見据えた新工場に
きく紹介され、爆発的なヒットとな
本靖が訪問した際に
に新工場を建設し、段階的に旧工場
際標準化機構 ︶
の基準に対応した製
手法である
た ﹂と振り返る。加えて衛生管理の
による生産力向上が最大の目標だっ
何が必要かを決めていくことを目
か り 策 定 し、そ の 指 針 に 基 づ い て
様な人々が働きやすい職場づくりが
据 え、年 齢 や 性 別 に 関 係 な く、多
不可欠であると考えたのだ。
だ っ た。進 行 す る 少 子 高 齢 化 を 見
から移転。経営理念である﹁ 夢のあ
標にした ﹂と語る。
そ の 結 果、 段 差 の な い 床、 く ぐ
また夢工場は複合的な発想で設
え、豊橋夢工場と札幌工場で担当者
ながら新しい工場を建てたい ﹂と考
まずは﹁みんなの視点を反映させ
た設計が進められた。
現場の細部にまで配慮が行き届い
しやすさを意識した設備設計など、
動できるレイアウト、清掃や点検の
計 し た が、結 果 的 に 壁 や 仕 切 り が
への聞き取りやアンケートを実施。
化は現在も進行中で、将来
そ の 結 果、 現 場 か ら は
件も
多 く、周 囲 を 確 認 し に く い 場 所 も
の課題が集まった。
そ の す べ て に 目 を 通 し、整 理 す
的には夢工場の約半分にあたる﹁ 省
人化 ﹂を目指すという。
本気で変えるため目標は
﹁ 生産性を 倍にする ﹂
その反省を踏まえ、今回は﹁ 既存
多く﹁ 必要なものは必ず取り入れよ
分たちでは気づけなかった視点も
性を
という目標を掲げた。
﹁ 最初は生産
新工場では﹁生産性 倍を目指す﹂
工場のコピーではなく、将来のもの
う ﹂という思いで、実直にコンセプ
る作業は連日夜遅くまで続いた。自
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トに基づき施策に反映していった。
想とのギャップを振り返る。
外でした ﹂と、高橋さんは当時の構
取りにくい構造になったのが想定
生 ま れ た。
﹁コ ミュニ ケ ー ション が
圭佑さんらを中心に始まった。
り 抜 け 動 作 を 必 要 と し な い 動 線、
︵国
る安くておいしいお菓子を創造する
造体制の構築も急務だったという。
コンセプトづくりは高橋さんのも
年 が 経 ち、社 会 は 想 定 以 上
モノを持ったままでもムリなく移
ら約
宇 野 泰 生 さ ん、保 全 課 課 長 の 若 見
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境 を 整 備 し た。だ が 夢 工 場 建 設 か
や
企業を目指します ﹂から、
﹁ 豊橋夢
と、推 進 事 務 局 と し て 副 工 場 長 の
新工場建設のプロジェクトリーダーを務めた、
取締役・高橋通昭さん
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の速さで変化を続けている。
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づくりを見据えた新工場をつくる ﹂
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割 ほ ど 上 げ よ う、と い う 話
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れた。だが、
その後も人気は衰えず、
当 時 も 喫 緊 の 課 題 に 応 え つ つ、
で﹁ 働きやすい ﹂環境を整えること
は、現場で働く人々が﹁ 安全・安心 ﹂
﹁ 新 工 場 企 画 構 想 ﹂で 重 視 し た の
さんは振り返る。
乗ってくれると感じました ﹂と宇野
指 摘 を 受 け、親 身 に な っ て 相 談 に
は﹁ 初回の打ち合わせ時点で多くの
の
の成長が期待されたからだという。
工場 ﹂
︵ 以下、新工場 ︶
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できる限り工夫を重ねて設備と環
年に豊橋市内
副工場長・宇野泰生さん
工場 ﹂
︵ 以下、夢工場 ︶と名付けら
そのため
り、生産が追いつかなくなった。
ラックサンダーはとある国際スポー
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な ど で 知 ら れ る 菓 子 メ ー カ ー だ。
年に東京都世田谷区で創
年には愛
年に小平市へ本社
と 工 場 を 移 転。
業 し、
年から製造が始まったブ
知 県 豊 橋 市 に も 工 場 を 新 設 し た。
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と決意。
﹁まずはコンセプトをしっ
Business Insights Vol.79
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