ビジネスインサイツ79号

- ページ: 14
- 新たに定義された
「等級と役割」
す る た め、合 併 後 に ど う 変 わ る の
な っ た こ と か ら、こ の 不 安 を 解 消
業規則や給与体系が変わることに
に大日本明治製糖は合併により就
で き る だ け わ か り や す く、理 解 を
の処遇を詳細にシミュレーションし、
ここで大事だったのが、
﹁ 各社員
回って説明することに力を注いだ。
員が遠い存在になり、意思決定のス
が る こ と で す が、現 場 は 部 長 や 役
す。これはリスク管理の強化につな
厳 格 な 決 裁 プロセ ス が 求 め ら れ ま
ていなかった新たな試みでもあり、
た︵ 上図参照 ︶
。両社ともに導入し
等 級 と 役 割 を 新 た に 定 義、整 理 し
献する﹁スペシャリスト職 ﹂にわけ、
スキルを生かし企業価値向上に貢
G3
班長
G2
班長代理
G1
部員
2級
1級
J
M
A
C
を明確にした組織づくり
す る た め、 指 示 命 令 系 統
して、効率的に業務を実行
た。三井製糖は上場企業と
合において大きな課題だっ
い も ま た、 人 事 制 度 の 統
で は な い。 企 業 文 化 の 違
や就業規則、評価制度だけ
違いがあったのは、給与
ションに直結するためだ。
の変更は、社員のモチベー
感を醸成していったのです ﹂
︵ 太田
し、直 接 意 見 を 交 わ す こ と で 納 得
場社員の対話の場を意図的に増や
考えました。そのため、経営層と現
や意思決定の違いが課題になると
﹁ 人事諸制度の違い以上に、働き方
直接聞く場を設けた。
に 実 施。現 場 社 員 の 声 を 経 営 層 が
ンドテーブル形式の座談会を定期的
ミュニケーション強化として、ラウ
交流を深めた。加えて、合併後のコ
れの部門に分科会を設けて議論し、
生 産 部 門、管 理 部 門 な ど、そ れ ぞ
前の助走期間には両社の営業部門、
この懸念点を払拭するため、合併
の 意 志 は 明 確 で し た。後 は そ れ を
の等級制度の導入に関しても会社
を 取 り な が ら 進 め た の で、複 線 型
経営陣と密にコミュニケーション
度の抜本的改革の内容については、
﹁ 人事戦略とそれに基づく人事制
の各種資料作成の支援を行った。
また経営陣や社員に説明するため
門 家 と し て の ア ド バ イ ス を 行 い、
大きな課題となった
企業文化の違い
をしていた。一方で、大日
子 会 社 で 非上 場
企業。三井製糖より規模が
小さい分、上長との距離が
合 併 後 の 抜 本 的 改 革フェーズで
接役員とやり取りする場
が 重 複 す る 問 題 が 発 生 し た。そ こ
合 併 に よ り、管 理 職 ポ ジ シ ョ ン
もっとも苦労したのが、
﹁ 複線型人
面が少なくありませんで
で、幹 部 職 以 上 は 組 織 の 管 理・ 運
﹁ 大日本明治製糖では、た
し た が、 三 井 製 糖 だ と よ
営を担う﹁マネジメント職 ﹂と専門
事制度の導入 ﹂
だ。
りフォーマルな承認ルート、
とえば非管理職社員が直
近い組織となっていた。
重 複 す る 管 理 職ポジション
をどうするか
さん ︶
の ポ イ ン ト、運 用 面 ま で 含 め た 専
J
M
A
C
本明治製糖は三菱商事の
保 秀 明 は い う。 給 与 体 系
は導入事例や制度設計上
ピードが落ちたと感じることもある
係長、チーフ
非管理職
G4
管理職
課長代理
5 級専門専任職
B
A
G5
3級
課長
係長・チーフ
班長
G6
部長
次長
さん ︶
のではないかと思いました ﹂
︵ 細谷
1級 A
の大久
1級 B
得られるまで何度でも丁寧に説明
2級
することだった ﹂と
3級
か全社員向けにシミュレーションを
M1級
次長、課長
6 級専門専任職
課長
課長代理
G7
4級
部長
一般社員=職能等級
4級
つ く り、全 国 の 事 業 所 や 出 向 先 を
S1級
M2 級
G8
幹部職=役割等級
M3 級
工場長、部長
5級
1
0
0
%
S2 級
M4 級
G9
工場長
6級
スペシャリスト職群
マネジメント職群
役割グレード
役職体系
資格等級
新制度
現行制度
東京都港区にある本社ビル
14
Vol.79
- ▲TOP