ビジネスインサイツ80号

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陣に技術開発を提案したり、さまざ
チャー企業を訪ねたり、日本の開発
度 は こ れ に 対 応 す る た め、 ベ ン
トプリンターを発売してきます。今
レーザープリンターやインクジェッ
が、競 合 他 社 が ノ ン イ ン パ ク ト の
年は順調な売れ行きでした。ところ
リンターが予想以上にヒットし、電
リンター市場に参入します。このプ
ンター︵ 写真左 ︶でパソコン用のプ
小池 その後、ブラザーが本格的に
回復してきたのは、自社エンジンの
大谷 まさにアメリカで新しいマー
ケットを開拓したのですね。
開発につなげていきました。
それを日本に橋渡しをしながら商品
したら﹂
とアイデアをもらえるので、
商品がよく売れるようになると、
量販店から﹁ 次はこういうものを出
知ってもらおうと必死でした。
ラシに載せてもらい、商品の良さを
週末に各家庭に配られる量販店のチ
らうのが最大のミッションでした。
ラザーの商品をお店の棚に置いても
れらの量販店と良い関係を築き、ブ
店以上の店舗を持っていました。こ
いただくことで消耗品の販売が拡大
客さまに製品本体を満足して使って
そしてもうひとつ、トナーやイン
ク、ラベルやテープなどの消耗品の
ものを変える必要がありました。
数の勝負になるので、生産体制その
るには、売り上げの大きさ、つまり
しました。情報機器の業界で勝ち残
いましたが、コストを下げるために
あり、多くの部品を自社で製造して
にはもともと自前主義という発想が
産、大量販売の追求です。ブラザー
ローバルにお届けする形での大量生
ふたつめはマーケットでトップ
シェアとなり、たくさんの商品をグ
ザーも成長できたということです。
まなことをしました。
レーザープリンターやインクジェッ
し、収益が安定したのです。
り、 ピ ー ク 時 に は 全 米 で
一方、ブラザー全体では、
年のプラザ合意以降の円高、国内
トプリンターを開発し、それらを複
品質が売りのデイジーホイールプリ
ます。
合機へと展開できた
に就任した当時は、米州の連結決算
子タイプライターと合わせて 、
大谷 アメリカではどのように売り
上げを伸ばしていったのでしょう。
器などを扱うプリンティング・アン
が 年ほど続けて赤字でした。売掛
における訪問販売の崩壊などによ
プルなどから発売されたパソコンが
制限されていました。その間にアッ
リーの制約のために欧米での販売は
を 売 っ て い ま し た が、販 売 テ リ ト
した、ドットマトリクスプリンター
メリカのベンチャー企業と共同開発
ペースで販売することができました。
御の字と思っていましたが、
まし た。 月に
ほぼ半値をつけたファクスを発売し
は維持しながらも通常の市場価格の
わりごろです。また、 年には機能
ラベルライターですね。
大谷 危機を乗り越えることができ
た理由をどのようにお考えですか。
り、経営状況はどんどん厳しくなり
アメリカの市場に普及するようにな
このころから大切にし始めたの
は、量販店とのつき合いでしたね。
す。現在、通信・プリンティング機
り、そ れ に つ な げ る 他 社 の 廉 価 な
ドットプリンターがよく売れるよう
当 時、 オ フ ィ ス ス ー パ ー ス ト ア
になっていたのです。
︵
台 売れたら
万台
︶と呼ばれるオフィス用品
専門の量販店 社が急成長をしてお
しました。
ビジネスパートナーとの
協業と量産化・合理化で
危機を乗り切る
を開拓し、彼らの成長とともにブラ
大谷 その後は順調でしたか。
小池 いえ、そうでもありません。
年にアメリカ法人の社長
販売もたいへん重要です。多くのお
内製はやめて取引先から買うことに
大谷 アメリカに渡って、どのよう
なことに取り組まれたのですか。
小 池 最 初 にヒットに 恵 ま れ たの
は、テープに名前などを印字できる
ド・ソリューションズ事業は、売上
年代後半で
小池 プリンターのセールスです。
ブラザーは
年ごろからア
収益の 割を占める主力事業に成長
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小池 ひとつは先ほども申しました
などの販売パートナー
ように、
そこで私たちはタイプライターの
技術を活かした、低価格と高い印字
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しました。また、私は直接携わって
あらゆる機能を一か所に集約したり
小池 テネシー州に巨大な倉庫をつ
くり、製造・物流・サービスなどの
大谷 実際には、大胆な投資や合理
化も実施されたわけですね。
直し、窮地を乗り切りました。
米と、すべての米州ビジネスを立て
合理化などに奔走し、北米から中南
金の回収や過剰在庫の対処、物流の
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Vol.80
*1 Small Office Home Office の頭文字をとったもので、小さなオフィスや自宅で働く形態をさす。1990 年代以降、アメリカでの起業独立ブームやフリーランスの台頭が始まりとされる。
*2 2015 年にイギリスのドミノ社を買収。ペットボトルや缶、食品の包装に賞味期限やロット番号などを印字する機器と、商品パッケージの多種少量化・短納期化に応える印刷機を提供する。
*3 テリーは、小池会長のアメリカ時代の愛称。
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年代の終
米国駐在時の小池氏
アメリカで最初に販売を手がけた
プリンター「HR-1」
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