ビジネスインサイツ79号

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- 大企業から中小企業まで、スマート
化プロジェクトのリーダー役を担う
管理職と経営層の手引書に
ソリューション部門 ﹂
﹁エッセンシャ
ン部門 ﹂
﹁アドバンストメディカル
指 す。生 産 技 術 部 担 当 部 長の 酒 匂
門の情報を整流化して全体最適を目
グチェーン︵ 下図 ︶を整理し、各部
さ こう
ル&グリーンマテリアルズ部門 ﹂が
では製造業に
もそれぞれ特徴があり、異なる。製
チェーンと組み合わせて整理できて
おける生産部門の役割を事業全体の
良和さんは﹁
品特性や市場環境の違いから、課題
います。 つのチェーンで構成され
事業において、経営課題と現場課題
品やプラント設備にも共通する基盤
るものづくりの全体像は、異なる製
は期待する。
﹁このガイドラインと
視点から課題の洗い出し、施策を立
設備の運転計画も考慮し、製造コス
技術的な議論にとどまらず経営側
で、費用対効果を明確に意識できる。
を使うと、
目線としても認識が合いやすいのが
案したかった。
何をどう取り組めば現場課題が経営
す。われわれ現場からの提案が経営
門に対して提案できるようになりま
な生産計画の構築を工場から関連部
しているという。
く、事業部門にも広げることに期待
の活用を生産部門だけの活動ではな
メリット﹂と話す。また、
課題に紐づくのかを整理できた ﹂と
語る。施策への取り組みを
課題に紐づき、事業競争力を高め、
にどうつながるかも整理で
強靭なものへ転換する施策として説
住友化学・千葉工場の変革は製造
業の未来に新たな可能性を示し、業
や
きたという。﹁ガイドラインがあれば、
明できるはずです ﹂
︵ 大園さん ︶
界 全 体の 変 革 をリ ード す るモ デル
ができる土台があることは大きいで
関連部門と目線がずれません。議論
ケースとなるだろう。
S
M
D
G
あり、製品を製造するプラント設備
も共通ではない。そのため、各個別
を紐づけるための考え方の土台とな
として活用できます。この全体像を
皮切りにそれぞれの製品で機能間の
連携、チェーンの最適化など個別の
検討が可能になります。それにより
製造の部分最適に陥らず、大局を見
また、石油化学製品の製造を行う
千葉工場は
も課題だ。
﹁ 当社が
喫緊の経営課題がどうつながってい
を 活 用したいと 橋 爪 さん
待しています。その結果、生産部門
掲げるカーボンニュートラルへの取
S
M
D
G
生産を行う ﹄といった、より戦略的
G
X
トの全体最適を志向した環境配慮型
における
は俯瞰した視点でのア
ものづくりの全体プロセスの最適化を目指す前提として、
最適化の対象とするプロセスの全体像をチェーン連鎖の構
造で整理したもの
るのか、ひとつずつ見ていけば、お
プロダクションチェーン
のずと答 えが見 えてくると思いま
サプライチェーン
り組みの﹃ 責務 ﹄と﹃ 貢献 ﹄の両面に
原材料を加工し製品に仕上げる工程連鎖
おいて、温室効果ガス排出量の多い
エンジニアリングチェーン
プローチが可能になる ﹂と確言した。
技術情報を訴求する業務連鎖
す。材料は揃ったので、アクション
サービスチェーン
当工場が果たす役割は大きいです。
「サービス」を中心とした業務連鎖
推進の指揮をと
千葉工場で
る大園侑利さんは﹁ 製造現場の個別
「もの」を中心とした業務連鎖
S
M
D
G
据えた全体最適につながることに期
現品
管理
に移す段階ですね ﹂
︵ 橋爪さん ︶
生産準備
工場は従来、安全・安定操業のもと、
アフターサービス
課題の最適化に留まらず、生産計画
工程設計
ではシス
酒 匂 さ ん は﹁
テム化のレベルまで言及しているの
商談
与えられた生産量を確保することが
ニーズ探索
求められてきましたが、
﹃ 動力用役
開発・設計
データの流れを整理し、全体最適の
情報発信
を含むプラント操業に関わる一連の
マニュファクチャリングチェーンの全体像
に落とし込み詳細化、加えて
T
K O
P D
I O
今後は、全工場への横展開はもち
ろん、個々が抱える課題に対しても
すね ﹂と大園さんは話す。
社名、役職名などは、取材時
(2025 年 3 月)のものです。
Business Insights Vol.79
29
リユース
需要予測
納品
物流
量産・製造
品質
管理
製造
生産
統制
リソース
確保
る〝 参考書 〟が必要だったという。
工場の役割を「指示どおりの生産」から「事業戦略と連携する生産」へと進化させる
大きな変革が始まる千葉工場
調達
S
M
D
G
D
X
S
M
D
G
戦略的な生産計画の構築を
全工場に横展開していく
4
供給計画
4
D
X
K
G
I
で は、 つ の チ ェ ー ン
で構成されるマニュファクチャリン
S
M
D
G
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