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第6回 未来産業想像カレッジレポート


去る4月22日に、未来産業想像カレッジの第6回検討会を行いました。第6回は、3月25日の開催が予定されていたのですが、震災の影響で延期しました。参加者の中には、自社で大きな被害を受けたという方もおり、そのような状況においても、カレッジに参加いただけたことを心より感謝申し上げたいと思います。また「未来の産業を想像する」この場は、日本のあるべき復興の姿があちこちで議論されている今、産業界が力を合わせてあるべき社会像を創り上げていく一つのプロトタイプとして、より一層重要な取り組みになってきたと感じております。
さて、第6回は、前回のディスカッションを振り返った後、2つのチームに分かれて議論を行いました。

■未来想像カレッジ 第6回交流会プログラム

13:00
〜13:10
本日の検討の進め方について

日本能率協会コンサルティング
13:10
〜13:30
第5回ディスカッションの振返り

日本能率協会コンサルティング(各作成担当)
13:30
〜14:45
キーイシューシートの共有化

チーム検討
14:45
〜15:00
休憩

15:00
〜17:20
食の未来シーン描き、ビジネスイノベーションコンセプトの設定

チーム検討
17:20
〜17:30
第7回の予定と宿題の確認

17:30〜
懇親会

 

 第5回(2/25)の振り返り

チーム別の検討に入る前に、各チームで第5回どのような議論をしたのかを改めて振り返り、内容を共有しました。前回の検討テーマは、「自分たちは、食をとおしてどのような課題解決をしたいのか」でした。
一部、その内容をご紹介しましょう。
Aチームでは、「地域ごとの生産と消費のバランスを解消する」「食を活用して人と人がコミュニケーションをとることを実現する」など、合わせて6つの視点が出てきました。Bチームでは、「食の原点体験ができる、サービスやツアー、クラブ」「生活スタイルにあったバランスのとれた食生活」など、3つの視点が出てきました。
今回、参加者の皆さんには、これらの視点をもとに「どのように課題解決を行っていくのか」について、ビジネスのイメージと解決された食のシーンを具体的に考えてきていただき、「キーイシューシート」として事前に作成いただいたものを持参いただきました。

 

 ディスカッション― 私たちが実現したい食の未来の姿とは

この日のゴールは、「私たちが実現したい食の未来の姿」を描くことでしたが、両チームとも非常に議論に苦しみました。Aチームは、バリューチェーンに沿ってキーイシューを整理しました。Bチームは消費者の食の行動プロセスに当てはめてみたり、第5回の議論で整理した「解決したい課題」の視点で整理したりしました。両チームとも、時間内に「食の未来の姿」が明確には描けず、次回までの宿題をすることにしました。その場で結論を出すことができず、非常に苦しい時間を過ごしましたが、この苦しさこそ「産業全体を俯瞰して考える」ことの難しさだと実感しました。
次回に向けて、Aチームでは「食文化のパトロンづくりと場の提供」「納得トレーサビリティ農産物供給」などのビジネス案を準備しています。また、Bチームでは、「『つなぐ』ことで楽(ラク)から楽しいとの両立へ」といった未来社会のコンセプト案を用意しています。次回は、これらの案をもとに、参加者の知恵を集めて、ビジネスアイデアをさらに魅力的・具体的なものに練り上げる予定です。

 

 最後に 〜レポート担当より

  
カレッジが始まってから、もっとも苦しい時間を過ごした一日でした。議論の進め方は事前に考えていたものの、食の未来の姿を俯瞰して包括的に考える、というのは簡単ではありませんでした。
そもそも、産業全体を俯瞰する機会は個別企業の中ではほとんど機会がないのではないでしょうか。
しかし、概してこのような苦しい時間がくるということは、今までにない新しいものを生み出そうとしている
瞬間です。そういう意味では産業レベルでものを考える段階にきたなと実感しました。
次回、産業構造を変えられるような新しいビジネスを生み出すのも同じように苦しいでしょうが、同時にとても楽しみです。
(RD&E革新本部 コンサルタント 大崎 真奈美)   

※未来産業想像カレッジの詳細がわかる!
6月16日(木)開催の第15回開発・技術マネジメント革新大会で、カレッジの活動をご紹介します。
是非、お越しください。詳細は→ 第15回 開発・技術マネジメント革新大会    

 

 

 

 

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