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第3回 未来産業想像カレッジレポート


2010年12月17日に、第3回・未来産業想像カレッジを開催いたしました。
(未来産業想像カレッジについての概要はこちらをご参照ください→ 未来産業想像カレッジとは )

今回は、キユーピー株式会社研究所の研究推進部長である飛田様を講師としてお招きし、年末の忙しい中でしたが9名の方に出席いただきました。
飛田様は、食品の研究開発現場一筋に活躍されてきた方で、研究開発者として考えてきたこと、感じてこられたことを様々な視点からご講演頂きました。食ビジネスの中心で活躍している方のお話ということもあり、参加者から活発な質疑が行われ、講演後のディスカッションも大変盛り上がりました。

■未来想像カレッジ 第3回交流会プログラム

13:00
〜13:05
本日の予定について

13:05
〜14:50
第3回講演会

キユーピー株式会社 研究所 研究推進部 部長 飛田 昌男 氏
14:50
〜15:00
休憩

15:00
〜17:25
気づきシートの共有化とディスカッション
 15:00-15:10 第2回気づきシートの振返り
 15:10-15:50 第3回気づきシートの共有
 15:50-17:15 ディスカッション(2つのチーム単位で議論)
18:00〜20:00
懇親会+各チームの発表

 

 講演会―研究者として今まで感じたこと

講師の飛田様は、キユーピー株式会社に入社されてから、マヨネーズから介護食品などの健康機能食品の研究開発に携わり、現在は研究推進部長として活躍されている、食品研究のエキスパートです。
講演では、これまでの豊富な経験から、研究開発者として考えてきたこと、感じられたことについて、実演を通しながら、楽しくお話しいただきました。 食事とは「人を良くすること」であり、エネルギーの補給だけでなく、楽しく会話しながら食べることでもあり、食べることで健康になること、それらが幸せにつながっていることなど、「食事」が持っている要素を様々な視点で提供いただきました。 例えば、高齢者は摂取するカロリー量が少ないので、若年者よりもたんぱく質の密度の高いものを食べなければいけないという視点や、大福を食べるシーンを実演いただき、人はモノの形を認知した後に、無意識に口の形や噛む歯を決める行動を行っているなど、摂食プロセスに関する視点のお話もございました。 最後に、これまで研究者として取り組んできたを振り返りながら、食ビジネスの今後の課題として「高齢者への情報提供のあり方」について、惜しみなく語っていただきました。ご参加いただいた方々の知的好奇心をくすぐる素晴らしいご講演となりました。  
      

 

 ディスカッション―「食」のトレンドに関する気づきの相互発表とチーム別での議論

カレッジの後半は、各参加者が作成してきた「気づきシート」を紹介しながら議論しました。まず、参加者
全員で前回(第2回)の議論を振り返った後に、事前に準備頂いた「気づきシート」を発表、共有しました。
次に、メンバー1人ひとりの考えや意見をより深く交流するために、2つのチーム(Aチーム、Bチーム)に分かれ、講師の飛田様、JMACも参加し、ディスカッションを行いました。今回共有した気づきシートから、「食」のトレンドに関して、気になった内容や各人の気づきを出し合い、食のビジネスイノベーションに関連する新たな「キーワード」や「切り口」、「新たな気づき」について話し合いました。 各チームで検討した内容の発表は、カレッジ後の懇親会にて、和やかな雰囲気の中で行いました。Aチームからは、観点やキーワードを中心に議論していく中で、天然・自然派を求めるトレンドがある一方で、同時に安全管理を確立するための工業化が必要となるような、一見矛盾した考え方に新たなビジネスチャンスがあるのではないか、といったような気づきが発表されました。また、Bチームの発表では、まずは気づきシートから感じたことを
メンバーに出していただき、その中から「食文化」や「生き方・ライフスタイル」、「食と情報の関係」など、
食のビジネスイノベーションに関して重要な観点やキーワードが浮き彫りになりました。  今回の発表内容から食の既成概念には当てはまらない、異業種ならではの新たな観点や気づき、キーワードが生まれてきており、食のビジネスイノベーション構想する上で、大変有意義な時間となりました。

 

 次回のご案内

次回第4回未来産業創造カレッジは、栃木県宇都宮を拠点にオーナーシェフとして4店舗のフレンチレストランを展開するかたわら、食育や将来の人材育成など食を通して幅広くご活躍されている音羽和紀様を
講師としてお迎えし開催いたします。

 

 最後に 〜レポート担当より〜

今回の2つのチームの発表内容を聞き、改めて異質の知が創発するカレッジが秘めている新たな可能性を感じました。ディスカッションをとおして、従来の常識とされている考え方や枠組みには当てはまらない
発想が次々と生まれていく姿を目の当たりにし、私自身もメンバーとして参加させていただいていることを大変嬉しく思っております。講師の方々や参加者の皆様に改めて感謝を申し上げます。
第5回目からは、食ビジネスのイノベーションを具体化していく活動に入っていき、さらに熱い議論が展開されると考えております。皆さまの熱い議論をさらに“厚く”できるよう自身も尽力していきたいと思います。これからも明るく、真面目で熱い議論を楽しんでいきましょう!

(RD&E革新本部 コンサルタント 佐藤 実輝)

 

 

 

 

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