RD&E マネジメント革新センター
RD&Eマネジメント革新センターは、国を越え、業界・業種を越えて、研究開発、設計、技術に関する経営革新を推進するプラットフォームです。

第14回 開発・技術マネジメント革新大会

 日時・場所

日 時 : 2010年6月16日(水) 9:45〜18:30
会 場 : 東京コンファレンスセンター品川 東京都港区港南1−9−36 アレア品川

 

 革新大会 全体レポート

 今年の開発・技術マネジメント革新大会は6月16日(水)に東京コンファレンスセンター(品川)にて、約300名のお客様をお迎えし、大盛況の内に幕を閉じることができました。
 今年度の大会は、「次の時代に向けて「技術」を担うRD&Eが中核となり企業経営を革新していかなければならない」という思いを持って、日本企業の強みである「技術」をどのように新しい価値に結びつけて新たな時代の成長戦略を切り開くか、そのためにRD&E現場に求められる改革・改善への取り組みは何か、について講演と事例発表、ディスカッションをいたしました。
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 基本テーマ

  技術が経営をドライブする   〜 次の時代を担う RD&E革新の新潮流〜

 2008年秋のリーマンショックをきっかけとした経済不況は、世界に大きな衝撃を与えました。そして、今、エネルギー革命や自動車革命に象徴される産業構造の変革、新興国の急速な発展によるグローバルレベルでの市場変化が叫ばれ、世界は経済不況後の次の時代へむけて大きく舵を切ろうとしています。 そのような急激な変化の中で、日本企業が生き抜き、成長していくために、改めて次の時代を見据えた経営のあり方、戦略のあり方が問われています。

 − 次の時代へ向けて、「技術」を担うRD&Eが中核となり企業経営を革新していかなければならない −
 今大会は、そのような思いをもって、日本企業の強みである「技術」をどのように新しい価値に結びつけ新たな時代の成長戦略を切り開くか、そのためにRD&E現場に求められる改革・改善への取り組みは何かについて考えたいと思います。

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セッション
◆基調講演
開発・技術に求められるリーダーシップ

株式会社ニコン 顧問 エグゼクティブフェロー 富野研究室長 富野 直樹 氏
◆主催者メッセージ

日本能率協会コンサルティング RD&Eマネジメント革新センター長  鈴木 亨
                                          平木 肇
                                          塚松 一也    
A-Tセッション

「食のソリューション」提案をリードできる研究所を目指して

キユーピー株式会社 新村 成彦 氏

A-Uセッション
品質情報の知識化と効果的活用推進事例

東芝テック株式会社 原 達也 氏
B-Tセッション
研究成果の事業化への取り組み(ディスカッション)

オムロンヘルスケア株式会社、東京工業大学、日東電工株式会社 (50音順)
B-Uセッション

研究組織・人材革新の取り組み(ディスカッション)

日本軽金属株式会社、日本信号株式会社、日本精工株式会社、
株式会社バンダイナムコゲームス (50音順)

C-Tセッション
改めて価値業務へのフォーカス

株式会社図研 上野 泰生 氏
株式会社日本能率協会コンサルティング 野元 伸一郎
C-Uセッション
事業変革のためのA&D(Acquisitions and Development)

株式会社創知 中村 達生 氏

セミナーパンフレットはこちらから >> パンフレット (608kb)

 

 

 基調講演
 『開発・技術に求められるリーダーシップ』

株式会社ニコン 顧問 エグゼクティブフェロー 富野研究室長 富野 直樹 氏

 ご自身のこれまでのご経験・想いを基に、世界最高のデジタル一眼レフカメラの開発の立ち上げから知的財産戦略経営への取り組みについてご講演いただきました。
  その開発におけるマネジメント、リーダーシップにおいて、「人」とのかかわり合いが最も重要であり、5つのポイントを示されました。

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・上の指示がファジーなら下はビジーになる…目指す目標設定と実現手段の明確化が
 重要
・三の連鎖…桃太郎のとり(俯瞰)・さる(戦略)・いぬ(実行)の考え方が重要であり、
 先読み・深掘り・果敢な行動が必要
・互いを尊重する「場」づくり…互いを尊重しながら、多くの人とのネットワークをつくること
 が重要
・複雑系・人間系が相手…仮説を持って物事に立ち向かっていくことが重要で、創造の
 前に想像し、臨機応変に開発を積み上げていくことが必要
・二組の「三性」…本物に触れて拡げる「感性」・「知性」・「理性」と、自分を知って深め
 る「個性」・「野性」・「根性」の「二組」の「三性」が重要
 

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 A−Tセッション 革新事例セッション@
 『「食のソリューション」提案をリードできる研究所を目指して』

キユーピー株式会社 
研究所 研究推進室 研究企画チーム チームリーダー 新村 成彦 氏

 技術を軸にした競争力のある商品づくりや事業の創出など、研究所への期待が高まるなかで、お客様への真の貢献を狙い、事業に貢献する研究所へと組織変革を進められた事例についてご講演いただきました。

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 その変革のポイントとして次の3つを示され、この3つの「英知を集める場」を構築し、お客様のことを考え、個々の研究員が自律的に動くように変革することの重要性をお話しいただきました。
 @全員参画のもと、研究所のあるべき姿を考える「戦略構想の場」
 A様々な研究員がパッと集い、助け合う「課題解決の場」
 B企画段階から関係部門が連携して商品を作りこむ「商品企画の場」

 このようなキユーピー様での場づくりを中心とした様々な工夫により、変革が研究員の個々の行動やマインドから始まり、研究所全体に広がっていく様子が参加者に伝わり、受講者との質疑応答の場面では、会場内は活発な意見交換が行われました。
 

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 A−Uセッション 革新事例セッションA
 『品質情報の知識化と効果的活用推進事例 』

東芝テック株式会社
システムソリューション事業本部 品質保証統括部
品質企画 原 達也 氏

 過去のトラブル情報・事実は有効なデータとして蓄積はされてはいますが、活用が進まない為に問題の再発が起きている品質保証体制から脱却し、品質情報を知識化し、効果的な活用へ繋げる活動についてご講演いただきました。
 活動ではトラブルに対して当面の消火機能と将来の防火機能に分けて考え、トラブルからの学びを将来の知識として残し、継承することが真の防火活動につながるという考えで推進されていました。

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 知識情報の活用も再発防止から未然防止を目指した活動までの取り組みに関する進め方をお話いただくとともに、活動を進めていく途上での知識化したナレッジ情報の活用における悩みや一連の活動が浸透した点についてもお話いただきました。

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   技術・開発・品質保証等におけるナレッジマネジメントの推進
   ナレッジマネジメントでは情報システム利用を目的にしないこと
   ナレッジワーカー現場への革新メッセージが重要
   ナレッジマネジメント 成功への鍵
   第1回 品質保証実態調査
   

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 B−Tセッション Next Doorセッション@
 『研究成果の事業化への取り組み(ディスカッション)』

参加企業
オムロンヘルスケア株式会社、東京工業大学、日東電工株式会社(50音順)

 本セッションでは、研究開発から事業化への課題や、それに向けた取り組みのディスカッションが行われました。
 研究開発成果を新事業として展開していくにあたり、研究成果やイノベーションが持つポテンシャルが顧客に与える価値を開発側が考え抜くことや、顧客起点で考える技術マーケティングについての各パネラーのご意見を伺う事ができました。

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 また、研究開発成果を新規事業として展開するにあたり、10年以上の長い時間を覚悟して取り組む必要があることなど、事業化を考えるための実際のご経験を伺うことができました。

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   用途開発と事業化推進マネジメント
   テクノロジーナビゲーション

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 B−Uセッション Next DoorセッションA
 『研究組織・人材革新の取り組み(ディスカッション)』

参加企業
日本軽金属株式会社、日本信号株式会社、日本精工株式会社、
株式会社バンダイナムコゲームス(50音順)

 本セッションでは、活力ある研究開発現場・人づくりをテーマにディスカッションが行われました。
 チャレンジャブルな研究者をどう育成するか、研究者にチャレンジャブルな目標に取り組んでもらうために、どのような組織的取り組みが必要かといった議論がなされました。失敗を恐れる若手研究者に対し、どの様なフォローをしていくか、難しい目標に対しどうモチベートしていくかという質問・悩みに対し、各パネラーの課題解決の考え方をお聞きすることができました。

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   日常業務マネジメント革新(WILL)
   第2回 技術人材教育に関する実態調査報告書
   技術 KI 計画

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 C−Tセッション コラボレーション・セッション@
 『改めて価値業務へのフォーカス 』

株式会社図研
取締役 プリサイト事業部長 上野 泰生 氏
株式会社日本能率協会コンサルティング
シニア・コンサルタント 野元 伸一郎

 顧客の潜在的な価値基準を探る価値業務や、顧客に新たな価値を提案する価値業務にリソースを確保するためにも、設計・生産を効率化していくことが必要であることについてご講演いただきました。
  ITを利用した効率化の方法として、様々な解析ツールを活用したフロントローディングや、CADとBOMをプラットフォームとして活用したハードウェア開発についてご紹介いただき、受講者の方々は熱心に講演を聞き入っていらっしゃり、高い関心が伺えるご講演でした。

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   FF源流型研究開発・設計プロセス革新
   開発プラットフォーム構築
   デジタルエンジニアリング革新
   技術ロードマップ構築

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 C−Uセッション コラボレーション・セッションA
 『事業変革のためのA&D(Acquisitions and Development)』

株式会社創知
代表取締役社長CEO 中村 達生 氏

 知財情報を俯瞰的、客観的に解析していくことで、
アライアンス候補先の探索や、技術の強み・弱みを軸にした研究開発戦略づくりに活用していく考え方と実践ツールについてご紹介いただきました。
  ご講演では、俯瞰レーダー図を活用した解析について、近年話題となっている具体的で豊富な事例に受講者は惹きつけられ、熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

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 また、講演後の質疑応答やご講演後も「自社でも組んでみたいがどうすればよいか」「情報活用は重要課題だと思っていた」といった受講者の声が多く聞かれるなど、関心が高く、大盛況のうちに終了いたしました。

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   第4回 研究開発生産性向上に関する実態調査

  

 

 

 

 

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