第7回 人と組織の力を引き出すファシリテーション〜会議改革が企業の効率化と体質強化を促進する〜

限られた時間で成果を出す ビジネス・スキルとしてのファシリテーション

会議を運営する能力とは 確実に成果を出すためのビジネス・スキル

山田が会議運営能力に気づいたきっかけ、それは「コンサルタントが持つ会議運営スキルを教えて欲しい、と依頼されたこと」だという。とある企業の改善活動に関わっていた山田は、当時の担当者に会議の進め方そのものを知りたいといわれた。「コンサルタントが参加した会議がうまく進行するのは、コンサルタントが持つスキルのおかげではないか、とそのお客さまは考えたようです」そこから、会議を運営する力について考えるようになり、山田を含むJMACのコンサルタントたちは、このスキルをファシリテーションという枠組みで整理したのだ。
ファシリテーションは多くの業界で用いられているが、ことビジネスとなると、単に場をうまく進行できればよいというわけではない。企業で会議を開く以上、終了後には成果がなくてはならない。求められるのは、ビジネス・スキルとして十分な機能を発揮できるファシリテーションだ。JMACが提供するファシリテーション・スキルは、その条件を有している。「ミーティングの上手な人にはもともと備わっていたスキルなのだと思います。それを弊社で技術として体系化し、多くの人が実践しやすいようにしました」
こうした経緯を経て、山田は現在、改善活動のファシリテーションそのもののほかに、ファシリテーション・スキル研修も手がけている。

『目的達成』『時間』『人の力活用』―― ビジネスで活用するための要件

「ファシリテーションは、多くの人たちが定義していますが、私たちは『個人やチームが持っている力を最大限に引き出し、限られた時間のなかで、場の目的達成を促進するはたらき』と定義しています」そこで注目すべきは、『目的達成』『時間』『人の力活用』という3点だ。この3つは、互いにトレードオフの関係にある。1つを追求しすぎれば、別のものが犠牲になってしまう。「人の力を活用するために丁寧に話を聞こうとしても、時間を際限なく使うことはできません。限られた時間で人の力を活用し、目的を達成することはビジネス分野でのファシリテーションでは重要です。3要素のバランスを取りながら、会議を成功させるには、実践する上での専門のノウハウが必要となるのです。このノウハウがJMACの大きな特徴でもあります」
もうひとつ、JMACの大きな特徴として、「コンサルタントがファシリテーションを教えるということが、JMACの強みです。たとえば、会議が進むうち議論が足踏みしてしまうケースがあります。その場合には、単に周囲に意見を求めるだけでなく、コンサルタントならではの新たな視点・知見・分析結果などを提供し、会議の前進を手助けすることができるのです」そうした関わりを繰り返すなかで、新しい価値や方向性が生まれてくる。会議で成果を出すこと、それがJMACのファシリテーションなのだ。

問題解決の実行可能性を高める 引き出すファシリテーション

JMACの手がけるファシリテーションでは、問題解決への実行可能性が高いという面がある。そこには、単なるファシリテーションにとどまらないノウハウが存在している。「解決方法を引き出すやり方としては、コンサルタントからの情報提供を中心としたアプローチと、お客さまの気づきや発想を引き出す事を中心としたアプローチがあります。基本的にファシリテーションは後者が中心になりますが、それのみで対応していては問題解決に至らないこともあります。また、完全な情報提供のみでは、自発的にお客さまが問題に取組むまでにはならないケースもあります。JMACでは、お客さまが本来持つ力を最大限に引き出しながらも、適切な情報提供を行い、問題解決へ導くことを心がけています」
実は、この自発性を重視する姿勢が、問題解決の「実行性」を高めるのに非常に大きな影響を与えているのだ。「他人から一方的に問題を指摘された場合と違って、自分たちで問題解決を考えたという実感はモチベーションの向上につながります。結果として実行性は高まり、効果的な会議ができるのです」企業が抱える問題を解決すると同時に、ファシリテーションなどの活用による体質強化やスキルアップを図るという二軸でアプローチすることは、JMACのコンサルティング・サービスの特徴でもある。

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