RD&Eマネジメント革新センター メールマガジン
2002年05月17日 026号 http://www.jmac.co.jp/rde/
5月号の目次
【1】センターからのお知らせ
【2】価値創造革新とは(その2)
【3】R&D Index -2「R&Dへの要請課題」
【4】ミニセミナー便り
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【1】センターからのお知らせ
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●「第6回開発・技術マネジメント革新大会」のお知らせ
今回で第6回を迎える「開発・技術マネジメント革新大会」が、6月3日(月)
に開催されます。詳しくは下記をご覧ください。
http://www.jmac.co.jp/rde/pages/action/taikai02.html
●「2002年度 RD&Eマネジメント革新センター活動」のお知らせ
2002年度に予定されているミニセミナー、研究会のご案内です。
ふるってご参加ください。
http://www.jmac.co.jp/rde/pages/forum/index.html
●JMAグループのフォーラム・シンポジウムのお知らせ
「ジュニアビジネスリーダーコース(40才でビジネスリーダーへ)」などが
開催されます。
http://school.jma.or.jp/
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【2】価値創造革新とは (その2)
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6 Value Innovationの中でとくに強調したいのはProject ValueとCustomer
Valueです。今回はこの2つの革新の代表的実践方法について紹介します。
Project Valueに関しては、JMACでは2軸志向のマネジメント革新を提唱
しています。市場・顧客要求の多様化・個別化は以前から変らないものです
が、異なるのはその変化のスピードです。このような時代を生きぬくには開発
能力の連続的強化が求められます。2軸志向のマネジメントは、開発プロ
ジェクトのQCD目標だけでなく、R&Dの変革目標を戦略的に設定し、継続
した革新能力を有するR&Dマネジメントとすることを狙いとしています。QCD
の一軸目標だけでは、例え高い目標を達成しても、開発能力は体質化され
ません。2軸目の目標達成に重点を置くマネジメントが必要です。QCDマネ
ジメントが重要であったのは、成長時代の維持管理型のマネジメントです。
これからの価値創出時代には、2軸志向の連続革新型のマネジメントが重要
となります。
http://www.jmac.co.jp/rde/pages/mail/and.html
Customer Valueに対しては顧客指向の体質革新が重要となります。最近の
R&Dにおける大きな変化の一つは顧客との関係です。顧客と協働した付加
価値づくりがこれからのR&Dに求められることです。顧客要求対応のニーズ
型開発でなく、シーズ型開発へのシフトです。顧客の潜在するニーズを仮説
し、自らの現在と将来の技術をベースに顧客へのデライト提案を行うことにより、
顧客の先々のニーズを発掘し、将来の商品化や事業拡大のネタを探索する
活動です。顧客指向は先読みしにくい時代のR&D戦略とも言えます。ニーズ
を市場動向として捉えるのではなく、個々のニーズとして発掘することであり、
従来のマーケティング手法とは異なるアプローチです。JMACの提唱するCF
(Customer Focus)手法を導入する企業が増えています。CF革新、顧客の
将来ニーズを探索し自らの技術開発計画へ反映すると共に、活動を通じて
R&Dを戦略志向の体質へ革新するプログラムです。
http://www.jmac.co.jp/rde/pages/mail/cf.html
2軸志向のマネジメント革新や顧客指向の体質革新は、R&Dのこれまでの
殻を破るための日常革新マネジメントであり、R&Dの原点を追求するものでも
あります。Project ValueとCustomer Valueの追求は、元来創造的な技術者の
能力を引き出し、役割を拡大することが期待できます。チャレンジしなければ
革新は起こらないということを再確認したいと思います。 (佐藤滋)
●本文に関するご意見、ご感想をこちらまでお寄せください。
https://www.jmac-annex.com/rdi/survey.html
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【3】R&D Index -2 「R&Dへの要請課題」
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2002年度より、Webミニ実態調査を開始しました。
次回(第3回)のアンケートは「新事業開発」についてです。ぜひご協力
ください。
第3回のアンケートはこちら、
https://www.jmac-annex.com/rdi/index.html
(集計締切:5月末日)
第2回アンケート結果の考察 「R&Dへの要請課題」
(1)差別化技術の構築に関する現状の問題点について
・「商品戦略が明確になっていない」「技術戦略が明確になっていない」
「事業戦略が明確になっていない」ことが問題であるとの指摘が多い。
・先読みしにくい時代であると言えばそれまでであるが、先読みしにくい
時代であるが故に戦略が重要な時代であり、戦略がないことによる
マネジメントロスが、開発投資効率を悪化させ、競争力を低下させると
いうことが再認識された。
(2)戦略策定能力の向上、マーケティング機能強化の重要施策について
・「技術・研究者の市場・顧客との接点を増やす」「顧客・市場情報の
蓄積・活用の仕組みを充実する」が過半数を超える結果である。
・外部指向のR&Dとすることが必要とされているが、挙げられた重点施策は
基本的な域を脱しておらず、体質革新の難しさを物語る結果であり、
これらのことが当たり前になっている状態を早急につくることが望まれる。
(3)研究開発構造の見直しの方向性について
・「新規事業のネタとなる要素研究の強化」「強みの技術への資源配分の
重点化」が過半数を超えた。
また「社外技術の活用促進」も比較的多い結果である。
・コストダウン競争、新商品開発競争を繰り返す中で、将来に対する備えが
不十分になってきているということが強く認識されているということが
推測される。研究開発投資効率の改善が求められる中で、どのように
将来の差別化技術を育てていくかが課題となっている。
●調査結果の詳細はこちらをご覧ください。
http://www.jmac.co.jp/rde/pages/rdi/rdi0204.html
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【4】ミニセミナー便り
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「第4世代プロジェクトマネジメント」
講師:大岩 和男、渡部 訓久 開催日:東京3月19日 大阪3月26日
・プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトの目的を効果的に実現するためにリスク分析・課題発掘・
プロセス設計・組織管理を行うことをいう。
・プロジェクトマネジメントの歴史的変化
古代よりプロジェクトマネジメントは行われてきたが、現代では全ての
仕事にプロジェクトマネジメント思考が要求される時代になっており、
現代に生きる人々にとって必須のツールとなっている。
・商品開発におけるプロジェクトマネジメントの世代認識
・第1世代
1946〜60年代:「品質は工程で造り込む」
1960年代:NASAの管理技術が伝わる
(PERT・WBS・信頼性管理手法)
1970年代:上記を基本に商品開発マネジメントのしくみ
(信頼性管理/設計FMEA/DRの仕組み等)
・第2世代
1980年代:コンカレント開発による期間短縮
・第3世代:1990年代:
?マルチプロジェクトマネジメント
?開発プロジェクトの価値研究強化
(製品戦略・開発企画・投資判断・・)
?FF革新・2軸思考型プロジェクトマネジメント
・第4世代プロジェクトマネジメントの基本視点 (多面価値創造モデル)
・プロセスは、「リニアモデル」から「ラウンドモデル」へ
・組織は、「分業」から「協創」へ
・評価基準は、「効率」から「価値創造」へ
・開発戦略・企画は、「市場発見」から「市場実験、市場協創モデル」へ
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