2017年8月 206号 「あなたの職場は、"主張することは善"ですか?」

2017年8月

残暑お見舞い申し上げます。
関東では8月以降長雨続きでしたが、ここにきて一転、猛暑が戻ってまいりました。
夏の疲れも出る頃ですので、皆様くれぐれもご自愛ください。
 

あなたの職場は、"主張することは善"ですか?

最近、リーダー層にコミュニケーション上の悩みを聴くと、「周囲に言いたいことを率直に
伝えられない」という声をよく聴きます。みなさんの周りではいかがでしょうか?

一昔前であれば、職場のコミュニケーションスタイルについては、「上司が一方的に
押し付ける」「すぐ否定する人が多い」といったことがよく問題視されていました。
この種の問題は依然として存在しますが、全体としては改善傾向にあると感じます。
昨今の就活教育の効果なのか、時代背景によるものなのか、「傾聴する」「共感を示す」
といった所作を学生時代から身に着けている人が増えてきていることも功を奏している
のかもしれません。

その反面、「相手を過分に慮り、自分の要求や主張をのみ込んでしまう」といった
"優しげな人"が増えてきているようです。個々人の育ちや性格も相まっているため、
「もっと堂々と自信をもって相手に伝えなさい」と振る舞いを変える要求をするだけ
では難しいものがあります。

問題の本質は、言い方やその姿勢の問題ではなく、率直に考えをぶつけられるほど、
相手を理解していない、あるいは、理解して関わろうとしない関係性にあると考えます。
「波風をたてるくらいなら・・」「私の役割というわけではないし・・」と、"何か"を発信する
ことに躊躇し、諦めてしまっているのではないでしょうか。それはいつしか、予定調和を
よしとする組織風土を作り出してしまう可能性があり、正解の見えない課題に果敢に
挑戦すべきR&Dとしては大きなリスクといえます。組織に対するロイヤリティも高まりません。

あなたの職場では
・若い人や経験の少ない人の意見に耳を傾けているか、それを重んじる意志を伝えているか
・その専門家/担当者かということに関係なく、その場の全員の議論参加を促しているか
・相手/組織をおもう「自己主張は金(沈黙は悪)」という価値観を共有しているか
・手厳しい意見にこそ、感謝の気持ちを言葉にしているか
・まず上位者から、自分の弱みや不理解をオープンにしているか・・・

たしかに言い方に配慮することは大切ですが、耳が痛いことであっても、率直に伝えあう、
よきおせっかいをしあうからこそ、その人となり、その仕事の中身や本質、志向や思考の
特長などを理解しあえるのであり、お互いに持ちえなかった"何か"を生み出せる、
相互成長をしかけられる組織になるのではないでしょうか。

(文責:シニア・コンサルタント 庄司実穂)