2017年11月 209号 「"BEYOND HUMAN"への問い」

2017年11月

今年も残すところ1ヶ月余りとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
本格的な寒さに向かう時節、風邪など召されませぬようご自愛ください。
 

"BEYOND HUMAN"への問い

先日、第45回東京モーターショーが行われましたが、
現地に足を運び、会場の熱気とともにモータリゼーションの大きな変化を
感じた方もいらっしゃるかと思います。

今回のテーマは「BEYOND THE MOTOR」でしたが、
会場を周ると、非常に多くのブースで、VR(バーチャルリアリティ)のデモが
行われており、自動運転やIoTなどデジタルテクノロジー色満載の展示内容が
強調されていました。
いわゆるクルマとしての価値追求と、新しいモビリティとしての可能性の両面が
入り混じっているように感じました。

「技術が進化し続けたときに、人間は本当に幸せになれるのか・・・」
AIやシンギュラリティ(技術的特異点)が話題となる昨今、科学技術とヒトの共存は、
現実味をおびて議論されることの多いテーマになりましたが、モーターショーで
"近未来のクルマ"を眺めていても、これからは今まで以上に、共存のあり方が
問われる時代になってきているのではと考えさせられました。

我々は、既に、カーナビやスマホが普及し、
モノ忘れや間違いが減り(ただし、極度に頼り覚えなくなり)、
エスカレーターが普及し、疲労が軽減し(ただし、運動不足で足腰が弱くなり)、
医療技術の進歩で、寿命がのび(ただし、介護や社会保障が追いつかず)のように、
技術に代替されるヒトの労力、能力面の利便性、社会価値と(その弊害)の中で
日常生活を生きています。さらに、今や、運転する喜びが自動運転に置き換わり、
将棋・囲碁の勝負事や株の投資までもがヒトがコンピューターの判断を頼るようになり、
心理的な側面までもが、技術に代替され、依存する時代にきているように思います。

シンギュラリティ(技術的特異点)のもともとの意味合いは、
カーツワイル氏によると「When Humans Transcend Biology」というメッセージを
含むものであり、人間の生物学的進化の限界をテクノロジーの力で超越しようという
投げかけのようです。AIの進化そのものよりも、それを利用する我々ヒト側の受け止め方、
新しいあり方が問われているのだと思います。

我々ヒトは、進化する技術と共存しどのように"BEYOND HUMAN"していけばよいのか、
多様化する価値に対して"BEYOND HUMAN"はどのように対応していくのか、
日常的には、どのようなBEYOND SYOKUBA(職場)でどのように新しい価値を生み出して
いけばいいのか。技術の進化だけに置いていかれないようヒト側の"BEYOND"のあり方を
考えていきたいと思います。

(文責:チーフ・コンサルタント 星野 誠)