2016年3月 189号 「MOT:技術を核にした事業化展開 ~R&Dと経営~」

2016年3月

このところインフルエンザがピークでプロジェクトチームのミーテイングでいない方が
見受けられますが、皆々さまはお元気でお過ごしでしょうか?

2015年度を振り返り、コンサルテイングの現場で感じたことについてお話したいと思います。

1.新規事業支援について

 毎年8~10のプロジェクトを支援していますが、このところ兼任プロジェクトから
 専任プロジェクトでの支援が増えてきました。
 その中で、エンジニアリング系の会社では、B to B事業を対象として自社のコア技術を
 活かし、ピンポイントなニッチ提案を戦略、企画、図面化まで1年程度でスピード実施する
 ようなケースがありました。
 これは自社のコア技術周辺で、商流も近い場合は可能でありますが、多くのエンジニアリ
 ング系会社では、ピンポイントの用途が見つからない場合も多いです。
 今後、事業化の加速化、グローバル化、オープン化の中でよりスピードが要求されます。
 ただいつも事業化の3つの壁、技術・コスト・売りをクリアし、キャッシュを回収するまでが、
 事業の定義に変わりはありません。

2.ネタ探しとイノベーション

 今年度も素材系の先端技術研究所から"ねた"探しのコンサル依頼がありました。
 所長が変わり、どうしてもダイナミックな改革が必要だと考えたに違いありません。
 集まったのは30代から50代の技術者層で、実験的に集められました。
 皆考える方向はバラバラで、自動車からロケットまで提案する先端素材について
 喧々諤々の議論になりました。
 この研究所も他大企業と同じく、議論の場が少ない様子で、組織や仕組みの議論や
 コミュニケーションと個人の意識をどう高めるかの工夫が必要と感じました。
 当たり前の話ですが、SNSの活用とフェースツウーフェースのバランスが経営として、
 個人としても必要ですが、実際は難しいです。
 管理者としては、周りに対してちょっとした声かけが必要なのはいうまでもありません。

3.価値創造と人材育成

 今期も大学院生(M1)にMOTの基本講義と演習を実施しました。
 学生は全体で50名ほどで2割がアジアからの学生で、出身は、中国、台湾、韓国、
 香港、マレーシアとさまざまです。
 これらの学生から演習の時の企画テーマとしていつも出てくるのが、ローカルからの
 コストリーズナブルな医療機器提案で、これは医療事情の悪い地方からのニーズが
 高いからだと考えられます。
 日本人には考えにくいのですが、海外では、交通事情、インフラが整備されていない
 地域も多く存在します。
 医者もいない地区にネットを使った遠隔地医療をリーズブルなシステムでできないか
 という提案が毎年でてきます。
 これらの地域では、社会貢献と事業が両立する経営はまだ程遠いのが現状です。
 そんななか、今年度は、海外女子学生の元気さが特に目立ちました。
 積極的なデスカッション、男子学生も負けそうな洞察ぶりも面白かったです。
 彼女は我々日本人が忘れていた"銭湯のコミュニケーション"を論じていました。 
 What's technical communication  at JAPANESE "SENTOU"?

来年度も新規事業と東アジアの進出支援が増えると思います。
皆さまの職場ではいかがでしょうか。

(シニア・コンサルタント 細矢 泰弘)