2016年1月 187号 「隣人の力を借りて、想像力を鍛える」

2016年1月

新しい年を迎え、皆さまはどんな思いを手帳に書き込みましたか?
皆さまにとって、実り多き1年になりますよう祈念いたします。

さて、1月から女性活躍推進法が施行されます。
女性が家庭生活と職場生活を両立し活躍できる環境づくりを目的にしておりますが、
皆さまの職場ではいかがでしょうか?

隣人の力を借りて、想像力を鍛える

昨今のメディア、あるいはR&Dの現場でも、「女性が輝く社会」、「女性が活躍する職場」と
いった言葉を聞かない日はありません。
女子会ではアイロニーを交えずには語れないところもありますが、追い風には違いなく、
にわかに「女性視点を活かした商品企画」といったコンサルティングも増えています。

男女の様々な違いから、女性の方が気づきやすいことがあることは自明ですが、
その気づきが企画・開発にはなかなか活かされないという実状もあります。
直感的な意見に対して、「こんなことでお客さまが喜ぶと思うの?」と自分が理解でき
ないことは悪気なく否定する上司。
「感じたことを言えって言ったくせに・・」とムっとする担当者。
しまいには、「損するだけだから、もう言わない」「また否定されるのが怖い」と提案を
ひっこめる顛末に・・。
振り返ると、このようなやり取りは男女間に限らず、世代間でも、あるいはもっと身近にも
起こっています。
何をどう努力すれば、お互いを活かしあえるようになるのでしょうか。
理解できない相手を真に理解しようとするのは、気持ちのハードルが高いものです。

そこで、前向きに開き直って「想像力のトレーニング機会」と捉えてみることをお勧めします。
自分とは異なる考え方の持ち主との対話から、ユニークな発想が生まれた経験は多くの
人がお持ちだと思います。
「彼女は何を言わんとしているのだろう?」「彼はどうすれば首を縦に振りやすくなるのだろう?」
自分と大いに異なる隣人は、自分の脳をフル回転させ、想像力を鍛えるためのパートナーなのです。
隣人の真意が理解できずに、顧客の潜在ニーズの発掘などできるはずもなければ、
経営からGOを引き出すこともできません。
私たちはまだまだその経験も力量も不足していますが、かしこさと優しさをもって向き合い、
訓練を重ねれば、「お互いを活かしあうことで新たな価値を生み出す組織」にもなりえるでしょう。

数年前、ある機器メーカーの女性担当者が、設備の前面パネルの一部をピンク色にした
新製品を開発し、話題になりました。
女性にとっては殺風景な現場をカワイイ感じにしたかった、自分らしさ・特徴を出したかった、
ということが発想の原点にあったかもしれませんが、経営に対するプレゼンでは
「日本のモノづくりの心を伝えるサクラ色です」と微笑み、満場一致を得たとか。
まさに、ユニークであり、かしこく、優しい女性ならではの企画・開発であり、それを育む
経営姿勢が感じられる好例ではないでしょうか。
お互いの想像力の乏しさゆえに、「こんな商品は見たことがない!!」と問合せが殺到する
チャンスを、やすやすと潰さないようにしたいものです。


(シニア・コンサルタント 庄司 実穂)