2015年11月 185号 「オープンビジネスイノベーション」

2015年11月

11月に入り、寒暖の差が大きくなり体への影響が心配される時期ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
社内では来年度に向けた計画策定や予算調整など忙しい時期かと思います。
さて今回は、新規事業やビジネスイノベーションの論点でお話をいたします。

オープンビジネスイノベーション

オープンイノベーションは周知のことですが、製品開発や技術開発にとどまらず、事業開発におけるオープン化事例がさまざまな業界で出てきています。筆者は新事業企画、新事業立ち上げのコンサルティングを日々行っていますが、コンサルティング価値の1つは他社との連携による事業開発の促進です。

オープンイノベーションは周知のことですが、製品開発や技術開発にとどまらず、事業開発におけるオープン化事例がさまざまな業界で出てきています。筆者は新事業企画、新事業立ち上げのコンサルティングを日々行っていますが、コンサルティング価値の1つは他社との連携による事業開発の促進です。

先日、筆者がコーディネータを務める「BtoBマーケティング講座」(株式会社ケイエスピーで実施)で東大発ベンチャーの方のお話を伺いました。このベンチャーが開発したのは触覚デバイスといってディスプレイ画面にタッチすると、その触感を指に伝わるという電子デバイスです。タッチパネル式の端末などで、ちゃんと押したかどうかがわかるというものです。

そのベンチャーは当初、自ら国内の端末メーカーに訪問しましたが、知名度や実績のなさから採用に至らなかったり、本当は次世代の技術であるのに既存技術同等の価格をつきつけられたりしていました。
一方、電子部品を扱う専門商社が自社独自の新商材を活用した新規事業を探索していました。
そして地域のインキュベータ(ベンチャー育成・支援機関)が仲介役となり、2社が出会いました。
ベンチャーにとっては強力な販路が得られること、商社にとっては独自の技術を有した商材が得られることで、WinWinの関係が構築できるとして提携関係を結ぶことになりました。
形態としては、商社がベンチャーに資本参加し、国内の総代理店となって日系の端末メーカーへ営業を行います。
商社は端末メーカーの取引実績もあり、信用力があるので、実績作りに拍車がかかるものと期待されます。

上記の事例に限らず、新規事業をやりたいが技術や商材のない大企業、事業を拡大したいが販路がないベンチャー企業がそれぞれ存在します。
筆者も「ビジネスアライアンス研究会」という異業種交流ネットワークに参画していますが、それぞれ課題を抱えている企業は相当あると実感しています。
お互いが不足するものを補完できれば、ユニークな事業になると思います。課題は、どのように相手を探すかです。
大企業の立場からすると、展示会やベンチャーフェアを回り有望なベンチャーを探すことも方法の1つですが、手間と時間がかかるのも事実です。
知名度のある企業であればベンチャー企業側から案件が持ち込まれるかもしれません。
いずれにしても大企業側から何らかのメッセージを発信しないと情報は集まってこないと思われます。

自社が求める技術(技術ニーズ)を外部に媒体を通じて発信して、ベンチャー企業や研究機関を募るオープンイノベーションモデルはすでに行われています。
事業開発においても、2社以上の経営資源を融合して独創的で付加価値の高いビジネスを展開するケースが増えてくると思われます。
よく、事業の基本要素は「だれに」「何を」「どのように」とありますが、事業を「だれと」行うのかも基本要素の1つです。
自社内では発想や独自性の限界を感じている企業は多いと思われます。
他社と対話を進め、共同で事業構築を志向することは、従来の枠組みを打破する手立てとなります。


(チーフ・コンサルタント 池田 裕一)