2014年9月 173号 「貴社のR&Dは迅速な顧客への価値提供に貢献できていますか」

2014年9月

皆さまこんにちは。
9月に入り猛暑もひと段落し、朝晩はだいぶ涼しくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

私はスマートフォンに防災速報のアプリを取り入れているのですが、7月、8月の暑い時期、
警告機能の一つである熱中症の警告が出た日が多いように感じます。
自分の子どもの頃にはこんなに暑い日々が続いていたかと思い調べてみたところ、
2013年8月の日本の月平均気温の1981〜2010年平均基準における偏差は+1.10℃で、
1898年の統計開始以降、3番目に高い値となったそうです(気象庁データ)。
じわじわとした変化なのでなんとか身体もついているように思います。

気候変動に見るように、企業においても様々な環境変化にさらされている中、刻一刻と
変わる環境に対応するために企業も色々と工夫をし、その時代に合うように経営を変え
てきています。
しかし、その中で本当に大事な部分(哲学等)まで変わってしまっていることもあるように
見受けられます。
その結果、何か問題が起きると一気に傾いてしまうような薄氷を踏むが如しの状況に
陥ることも少なくありません。
しかし、何かあった時では遅すぎます。
まだ問題の起きていない時こそ、あらためて自分達の本質は何かを問い直し、またその
本質に戻すための手を打つことが求められていると思います。
まずは小さな一歩から、自分達の本質を見つめ直す場を設けることからスタートしてみては
いかがでしょうか。

(中田 奈津子)

貴社のR&Dは迅速な顧客への価値提供に貢献できていますか

日本の製造業の凋落が語られて久しくなります。
実際に1960年代には10%近くあった日本の製造業の平均売上高利益率は、バブル崩壊
以降最近に至るまで4-6%と低迷しています (延岡, 2008) 。
その回復のための処方箋は単純なものではありませんが、ここでは企業における顧客接
点の話を取り上げたいと思います。

最近複数の企業に対して「顧客意識向上」という支援の機会を持ちました。
複雑なサプライ・チェーンを持ち顧客接点が薄い企業にとって、社員一人ひとりが顧客を
定義し、そこに意識を向け顧客の立場に立って徹底的に考えようという取り組みは、
大きな挑戦でした。
顧客の行動や発言の観察・理解からその裏にある期待や願望などを解釈・理解すると
同時に、それをすばやく提供価値に反映していくという取り組みは、サービス部門や
マーケティング部門のみに求められるものでは無く、全従業員に求められるべき変革で
あると思います。
そして社員の変革と同時に、会社の仕組みもこれに合わせた変革が必要だと思います。
時にはクラウド等も活用して顧客接点から蓄積された情報を集約し、迅速に事業に
活用・反映させていく。
R&Dは正にここの中心にあり、この迅速さ・機敏さに貢献しなければなりません。

従業員一人ひとりの顧客意識というアンテナを高度に磨き上げ、顧客接点を強化する。
そして顧客の行動や反応をダイレクトに掴んですばやく学習し、迅速に価値提供する。
これからは上記のような強固な顧客接点を築き活用できている企業と、そうでない企業
との差がますます拡大していくのではないでしょうか。

引用 
延岡健太郎(2008). ものづくりにおける深層の付加価値創造. RIETI Discussion paper series .


(チーフ・コンサルタント 柏木 茂吉)


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