2014年7月 171号 「イノベーションは誰のものか ~技術部門の総力発揮イノベーション~」

2014年7月

皆様こんにちは。
梅雨でむしむしとした日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
紫陽花が色づき、緑が一層深くなるのを見ると、いよいよ夏が近づいてくることを実感致します。

先日(6月12日・木)弊社開催の第18回開発・技術マネジメント革新大会が開催されました。
約250人の方にお越しいただき、大盛況の内に終わりました。

ご講演いただいた企業の改善活動の取り組みに、皆さん熱心に耳を傾けていました。
受講後のアンケートから、皆様が大いに気づきを得られ、刺激を受けられたことが伺えました。
毎日の地道な改善活動が、大きな成果に結びつくことを改めて実感した1日となりました。

日々、目の前の仕事で忙しい中、改善活動をなかなか進められないという声をよく聞きます。
しかし日本全体としても元気になり、勢いがつき始めている今こそ、時間を取って自分達の
成長や変革に向けた活動に取り組むことで、他社を抜きんでることができると思います。
自分達の目標をあらためて自分達自身で描くこと、今の実態(変える上でのスタート地点)を
きちんと把握すること、そして目標と現状のGAPからどう進めばよいかシナリオを描くこと。
このようなことにあらためて時間をとって取り組むことが求められているように思います。

(中田 奈津子)

イノベーションは誰のものか ~技術部門の総力発揮イノベーション~

昨今「イノベーティブな組織への変革」がR&D部門の重要課題として、あたり前のように
認識されている。どの研究開発部門にいっても、トップメッセージにイノベーションという
キーワードがあると言ってもよい。実際、イノベーション創出のためのプロジェクトや
特別組織、ミッションが設定・運用されているケースは多い。

しかし、それがかえってイノベーションの「特別視」を助長させてしまっているのでは、
と感じることがある。例えば、現場リーダークラスでも"イノベーションって最近の
バズワードでしょ?"と捉えている場合がある。
新規研究開発テーマ創出をミッションとしない開発や設計部門のリーダーは、
"それは他部署の役割であって自分たちの役割ではないです"と捉えている場合もある。
リーダーだけでなく大半の現場が、自分たちの日常業務はこれまでとなんら変わっておらず
ただ業務が増えているだけ、となっているように見える。

これがありたい「イノベーティブな組織」なのだろうか。

そもそもドラッガーが企業の機能は「マーケティングとイノベーション」と言っているように、
イノベーションは今だから重要なのではなく、企業を成り立たせる要件として不可欠なのである。
日常的に当たり前に実践されるべきことであり、まさにバズワードであってはいけないのである。

そこで、イノベーションを「特別な人が特別なタイミングで扱う課題」ではなく、
技術に携わる人たち全員が日常的にかかわるものとして捉えてみてはどうだろうか。
"いやいや、全員がイノベーションなんて新事業創出に関わるような大それたことに挑戦できない"
と思うかもしれない。
しかし、新事業という大きなイノベーション成果を成り立たせているのは、
現場における日々の小さなイノベーションへの挑戦の積み重ねではないのか。
新事業の芽が生まれるまでには多くのトライ&エラーがつきものだ。
そして事業芽を花開かせ実らせるために、コストや性能改善のための
いくつものイノベーションがあるはずだ。

そう考えると、全員がイノベーションの実現に向けて工夫できることがある。
例えば、実験するにしても、今までトライしてこなかった小さな工夫を提案してみる。
例えば、まったく顧客接点をもってこなかった研究者に接点を持たせる。
例えば、顧客からの問い合わせ対応で訪問する際に、単に不具合を解消するだけでなく、
自分たちの新しいアイディアをぶつけてみる。

テーマや体制を変えるだけでなく、日常の仕事のやり方、意識の持ち方を変えるだけで、
誰でもイノベーションに貢献できる。
そんな、技術部門の総力を発揮することこそ、技術部門を本当の意味でイノベイティブな組織に
するのではないか。
ぜひ、現場一人ひとりにとってのイノベーションとは何かを見つめ直し、日々取り組む姿勢を
忘れないでほしい。


(チーフ・コンサルタント 大崎 真奈美)


▼本文に関するご意見、ご感想をこちらrde@jmac.co.jpまでお寄せください。

------------------------------------------------------------------
本誌はRD&Eマネジメント革新センター会員に配信している無料メールマガジンです。
今後このサービスが不要な場合、周囲の方が本誌の購読を希望されている場合、
本誌内容の転載をご希望される場合などは、お手数ですが、rde@jmac.co.jpまで
その旨ご連絡をお願いします。
              JMA&JMAC RD&Eマネジメント革新センター
-----------------------------------------------------------------