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コンサルタントの視点 「リスクと向き合う準備」

2016年2月

JQMQvol.21 201601.pdf

ある会社でリスクアセスメントの推進を支援させていただいた。

「我々の工程に潜む品質リスクがよくわかりました。でも実際に品質事故が起きたらどうするんでしょうかねぇ・・・」と、若手社員。

「そんな弱気でどうする。そうならないように、これから重点リスクを改善するんだろ。考えうるリスクは全て出した。」と、上司。

メンバー間の休憩室での会話である。 上司の意見は一見正しいように思われるが、どうだろうか。リスクマネジメントについて改めて考えたい。
リスクマネジメントシステムは3つのサブシステムから構成される。

・事前対応(リスク ファインディング)・事後対応(クライシス マネジメント)・復旧対応(ビジネス コンティニュイティ マネジメント)

事前対応とは、リスクを事前に洗い出して対策を打つ活動である。狭義のリスクマネジメントであり、リスクマネジメントの基本となる活動である。 しかし、事前対応のみでは、システムとして片手落ちである。有事の際の対応の仕組みをセットで考えることが必要だろう。
事故発生時における対応を決め被害を最小限にする仕組み(事後対応)、事故発生後も事業継続できる仕組み(復旧対応)を同時に構築する必要がある。

最低限整備すべきは、プロセスと役割を決めることである。 事故対処方法やステークホルダーへの説明の流れを決め、手順書・マニュアル化することである。あわせて危機管理体制を構築し、事故発生時に迅速に対処できる指示命令系統を整備することも必要となる。
また、仕組みの有効性を保つためには、監査と想定訓練が欠かせない。事故は忘れたころにやってくるという警句がある。日ごろからひとりひとりの意識づけが何より重要である。

昨今、企業の品質事故のニュースが紙面を賑わしている。SNSをはじめとする情報コンテンツの普及により、情報は一気に拡散する。ひとつの品質事故が事業継続を脅かしかねない。

このような状況に対応するためには、事業環境の変化や長期的な時間の変化を見据えた周到なリスク想定が必要である。 あわせて、事後対応・復旧対応の質とスピードを高める仕組みも考えたい。
事後対応のまずさが企業の信用を失うことになりかねないことは既知の事実であろう。

リスクと向き合うためには、事前対応・事後対応・復旧対応の3点を充足するマネジメントシステムの構築が重要と考える。

コンサルタントプロフィール

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チーフ・コンサルタント 神山 洋輔

千葉大学法経学部卒業後、2008年にJMAC入社。国内製造メーカーにおける生産戦略立案から現場改善・成果創出、工場建設支援まで、一貫したコンサルティングを行っている。
製造現場のオペレーションに踏み込んだ品質不具合改善をはじめ、未然防止・再発防止システム構築など、設計開発、生産、調達、品質保証との連携プロジェクトに多くの参画実績がある。

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