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経営層が見ている品質 「品質情報ハイウェイ」

2016年6月

JQMQVol.22_201606.pdf

 「品質」を作り込むのも、品質を管理するのも、品質を保証するのも情報が要となっている事は言うまでもない。今回は、この品質情報について考えてみたい。

 品質情報には大きく、外部からの情報と内部の情報の2種類がある。外部からの情報とは概して言えばマーケット情報、お客様の声、クレームなどである。企業にとってはアンテナを張り、キャッチするものであす。内部の情報とは内部で品質を安定・向上させるために共有するもの、クレームなどへの対応・対処として周知し再発を防止する類のもの、次の製品開発に繋げるものなどのフロー的な情報と規格・基準・標準などの形で遵守、必要に応じて更新するものなどがある。

 外からの情報は共通の企業内サイトを設けたり、DBを統合するなどで管理もでき、アクセスもし易く、その工夫も比較的容易である。

 しかし、内部情報は組織が複数あったり拠点が海外含めて複数あったり、場合によってはサプライヤーなど調達先も含め管理統制が困難を極める。特に、重要な品質情報ほどかく組織の管理者が「知らなかった」では済まされなくなることが多いため管理者を介して展開、通知、共有、報告されることが多い。そのため、組織が大きくなるほどその伝達にかかる時間が伸びやすくなる。重要なのに、である。重要=まずい情報となると隠すつもりはなくても各組織内で解決・解消を優先させがちになり、結果、報告がなされなくなるケースも多いのではないだろうか?

 経営は、「まずい情報ほど早く出せ、まずい情報ほど早く相互伝達し対処せよ」とはいうが、実態としてそうはなっていない企業が多いように見受ける。また、企業の経営陣にこの点を伺うと多くの経営陣が「そこに問題あり」との見解を示す。残念なことに、組織内で一度、隠す癖がつくと隠しているつもりはなくとも様々なデータや基準などが同様の扱いを受けやすくなってしまう。

 これが批評家からは隠蔽体質だと指摘をされることもあるが、果たして隠蔽「体質」なのだろうか?情報経路およびそこの流量調整基準・責任の設計に根本的問題があるのではないだろうか?この点に問題がある企業は真剣に考えるだけでなく、早期に情報経路の再設計にまで繋げるべきと思われる。

 事業も形態も拠点も複合化・複雑化する現在、品質情報のハイウェイ化(迅速な伝達、伝達リードタイムの管理)を真剣に検討し、構築すべきではないだろうか?企業活動上クリティカルになるポイントも高速道路の渋滞表示のようにどこでどうなっているかが見えるようにされるべきではないだろうか?

コンサルタントプロフィール

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シニア・コンサルタント 松田 将寿

早稲田大学大学院修士課程国際法専攻修了後、1994年にJMAC入社。
製造業を中心に24年の経験(生産領域コンサルティング12年、戦略領域コンサルティング12年)を持ち、国内外(外は現地企業・大学なども含む)、大企業~中小企業など幅広く支援を行っている。
品質カテゴリーに関しては、経営・事業戦略への組込み、経営体質作り(改善・改革の骨格)として捉えて支援している他、品質マネジメントシステム、品質保証・品質管理の側面から組織・機能連携、外注戦略、業務改革なども支援している。

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