KIメールマガジン『COMPASS』NO.145

2014年5月

2014年5月/NO.145

「実験ノート 基本のキの字」

KIメールマガジン読者の皆さま

青葉がまぶしい季節となりました。
庭の植木も若い葉がぐんぐん伸びております。
そのわきで、昨年の葉が静かに落葉しかけており
季節の変化を感じます。

さて、昨今、理化学研究所のSTAP細胞の件で、
「実験ノート」の話題が、日常のTVの話題にのぼるようになりました。

今回は、20年以上前の私自身の経験を少しお話ししたいと思います。
当時、勤めていたのは、ある企業の開発研究所。

大学を卒業して、研究所に配属されて、いろいろ上司の指導を受けましたが、
中でも実験ノートの指導は、印象的でした。

当時の室長は次のように言いました。
「実験ノートは、どのページを開いても、右上か左上に日付と天気(なぜか)、
そして、中は、目的、方法、結果、結論、次のページも、目的、方法、結果、結論。
そして、実験をする前に、目的と方法はもちろん、結果を記入する表まで、書いてから
実験をせよ!」
と厳しく指導されました。言われるだけでなく、突然、抜き打ちチェックもありました。
「皆、ちょっとノートを持って集まれ」と突然召集され、
「ノートを開きなさい」と言われると、ページを開き、例の「目的、方法、結果、結論」と
なっていないと、「こら」と優しく叱られたものです。
また、それができていると、今度は、結果の表の中のサンプル番号と、実験台の
近くに保存してあるサンプルの番号が合っているか。現物で、見られたものです。
今でもノートを開いて、実験台の上にずらりとサンプルを並べて、付け合せをした様子を
思い出します。
また、結果の写真や、計測機器や、コンピュータから印字されたデータは、
A4の紙にセロテープで貼り付けて、青い重たいファイルに日付順にファイリングして
あるか、それとノートのサンプル番号が一致しているか。
現物で、指さし確認をされたものです。

そこまで行くと、完璧にできている人の方が、少ないくらいでした。
特に私のように、机の上がとっちらかっている人は。。

それでも大切さは分かっているので、その室長チェックがあった後数か月は、
ちゃんとやっていました。そして、だんだん、書き方が乱雑になってきたころ、
「おーいみんな、ノートもってこーーい」と室長の声があります。
「しまった!!」この繰り返しでしたが、次第に身について来ました。

現在の職に転職を決め、5,6年の研究員生活に別れを告げて、退職の最後の日、
実験ノートは、たしか20冊を超えていました。
今テレビに出ているようないわゆる高価な表紙が分厚い「実験ノート」ではなく、
表紙には、最初からの通し番号をつけ年月日と名前を自分で書いた
皆さんが良くご存じのキャンパスノートでした。
1冊1冊が、データを貼り付けて膨らんだ20数冊を積み上げて、
紐で縛って、机の上に置いてきた記憶があります。
その日の夕方、送別会で「なごり雪」を歌いました。

今の研究室はどうなっているでしょうか。
研究室での先輩の指導は今もなされているでしょうか。

(文責 中村 素子)


【イベント情報】

6月12日(木)に東京コンファレンスセンター(東京・品川)にて、
第18回 開発・技術マネジメント革新大会を開催いたします。

KIに関係して、次の講演がございますので、ご紹介いたします。


B-1セッション ===========================

グローバル開発時代の大部屋開発の進化
~多拠点化、物理的スペース制限を取り払う大部屋~

講演者: KAP IT (iObeya) VP-Strategy
      Zal J. PEZHMAN 氏

      ・戦略的コミュニケーションをビジュアルに行う「大部屋開発」とは
      ・大部屋開発の世界の潮流について
      ・現地現物大部屋会議の実現方法とは


B-2セッション ===========================

南蛮渡来のKI(Knowledge Innovation)で壁を乗り越え世界に拡げる「和の力」

講演者:ヤマハ発動機株式会社 エンジンユニット コンポーネント統括部
     ユニット技術部 ドライブトレイングループ ドライブトレイン製技係
     主査 皆川 聡 氏

     ・自律的に改善するための工夫と挑戦
     ・文化のカベを超える合意と納得の作戦づくり
     ・1人1人の持ち味を活かした「和」のチームワーク

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